
増水した川岸で、白い石の乾いた面を追う
増水した川の岸では、草が水の流れと同じ向きに倒れ、川面だけが幅を変えながら走っている。17時34分、雨はまだ強く、岸に立つと靴の先へ細かな水が跳ねた。僕は川そのものより、泥に半分埋まった石の並びを見ていた。灰色の石が続く中で、一つだけ白い面を上に向けた石がある。濡れているはずなのに、中央の細い部分だけが乾いた色を残していた。周囲の泥は暗く沈んでいるので、その細さが余計に目に入る。
指で触れるほど近づく気はないまま、僕はしゃがみ、上流側と下流側から交互に眺めた。体の向きを少し変えるたび、白い面の端にたまった水が別の線に見える。雨粒の落ちる位置が少し違うだけで、表面の白さも変わった。川岸で聞こえる水音は一つではなく、川の中央で続く低い音に、石へ当たる短い音と草の葉から落ちる音が重なっていた。
僕は数えやすいものから数えようとして、三つ目でわからなくなり、白い石の左にある黒い石の角を見た。黒い角には薄い泥が残り、そこだけ流れに削られていない。角の左右で泥の厚さまで違って見えたので、僕は同じ場所を二度見た。雨の向きは一定せず、白い石の乾いた面もすぐに消えるように見えた。
それでも石は動かさず、岸の水がどこまで近づいたかを靴先から少し離れた場所で確かめている。草の根元へ新しい水筋が伸び、僕の目はまた石の角へ戻りかけた。川面の泡が一列だけ横へ流れていったので、次の列がどこから現れるかを見ようとして、白い石との距離を測るように視線を少しずらしている。








