
ひまわりの花言葉を、朝の向きだけでは決められなかった
ひまわりの花の向きを、顔を近づけずに見ようとして、僕は一度しゃがみ、それから立ち上がった。朝の光はもう明るく、空気は少し湿っている。花は光のほうを向いていると思っていたのに、実際には正面から少し外れていて、黄色い花びらの片側だけがよく見えた。
ひまわりの花言葉を調べると、「あなただけを見つめる」という言葉が出てくる。前に読んだときは、花が太陽を追う印のように受け取っていた。けれど今朝の向きは、見る角度を変えるたびに違って見える。僕が半歩横へ動くと、花の中心がこちらを向いたようになり、戻るとまた朝の光からずれた。
それで、花言葉を決める前に、茎の途中にある小さな折れ目を見た。風のせいなのか、重さで曲がったのかは分からない。葉の一枚には乾いた土が細く付いていて、そこばかり覚えてしまった。花の大きな黄色より、見落としても困らない部分に目が止まるのは、僕のいつもの癖らしい。
スマートフォンで向きを記録するほどでもないので、頭の中で「右寄り」とだけ言った。誰かに聞かれたら、ずいぶん曖昧な観察だと思われそうだ。花言葉の「あなただけ」が、太陽なのか、見る人なのか、そもそも向きとは別の話なのかも決められないまま、僕は花の下の葉を一枚だけ避けた。
その隙間から見えた茎は、思っていたより細かった。大きな花を支えるには頼りなく感じたけれど、触って確かめることはしなかった。向きをもう一度見るために少し後ろへ下がると、今度は花びらの先ではなく、中心の茶色い部分が目に入った。ひまわりの花言葉を思い出しながら、僕はそこで足を止めた。








