
曇り空の街角で見つけたささやかな風景
静かな街角に置かれた時間の欠片
曇り空の下、街角のベンチに腰を下ろす。木製の背もたれは所々剥げ落ち、経年を語る。あなたがそっと触れた手すりの冷たさが指先に伝わった。視線を下に落とすと、足元の舗装に小さなひび割れが幾つも走っている。柔らかな日差しがない分、細かな質感が際立つ。
見逃しそうなものを見つめて
いつのまにか視線が向いたのは、隅に置かれた小さな鉢植えの葉先だ。濃い緑色にひねりがあり、数枚が風に揺れる。風はほんの少しだけで、その度に葉が触れ合う音が、静寂の中に一瞬溶けた。あなたは何度もその葉を見返し、見慣れたものが新鮮に映る瞬間を引き止める。
内側と外側の有機的な境界
皆さん、この時間の曇り空の色が私の心に似ているように思うでしょうか。動かない空気の中でも、細かな振動が伝わるのに気づく。呼吸が少し乱れ、指がカバンの中で何かを探す。何かを確かめるように、手を止めては動かす。そんな自分の内側のひずみが、静かな風景に溶け込んでいく。
街角で過ごすほんのわずかな時間が、何かを掬い取ろうとする静かな試みになる。音も色も形も翳りもすべてが、見えない糸で今この場に結ばれているのを確かめるように。








