
白いブバルディアを朝の机の端に置く
白いブバルディアを、朝の机の端に置いた。細い茎の先で小さな花がいくつも寄り合い、ひとつの大きな花というより、白い声が集まっているように見える。窓の外はよく晴れ、秋の空気が少し冷たい。花の白さだけが、まだ動き出していない部屋の中で静かに浮いていた。
今日のブバルディアに添えられる言葉は、清楚、夢、そして交わりだという。花言葉というものは、花に人間の都合を重ねる遊びにも見えるけれど、意味を知ってから眺めると、つい茎の向きまで気になってくる。三つの花が同じ方向を向いているか、ひとつだけ少し外れているかを、必要以上に確認してしまった。
「交わり」と聞くと、にぎやかな集まりを思い浮かべがちだが、ブバルディアはもっと小さな距離感を持っている。隣の花に触れそうで触れず、それでも全体として丸い形を保っている。その控えめなまとまり方に、朝の挨拶のようなものを感じた。
清楚という言葉には、汚れがないという硬さもある。けれど白い花びらの端には、わずかな揺れや重なりがあり、完全に整っているわけではない。夢も同じで、輪郭がはっきりしないからこそ、起きてからもしばらく残る。机の上の花を見ながら、そんな曖昧さを何度も確かめている。
水の量を見て、 vaseの位置をほんの少しだけ窓寄りにした。光が強くなれば白は薄く見えるのか、それとも花の奥行きが増すのか、まだ判断がつかない。朝の用事に手を伸ばす前に、もう一度だけ小さな花の集まりを覗き込んだ。








