
「Gemini Notebook」という名
画面に浮かんだ名前
朝の光が机の端から這い上がり、キーボードの隙間に影を作る。ノートパソコンの電源を入れ、ニュースサイトのタブを開く。昨日まで「NotebookLM」と表示されていたロゴが、今日から「Gemini Notebook」に変わったという。通知文を二度読み返す。名前が変わるということは、その製品の位置づけも変わるのだろう。しかし目の前の画面は、ただ静かに白い背景に黒い文字を並べているだけだ。
変わらぬもの
クロームの縁に指を置き、画面を揺らしてみる。反射が一瞬歪み、また元の形に戻る。画面の端に、自分の顔がぼんやりと映り込んでいる。このパソコン自体も、定期的にアップデートが来るたびに細部が変わっていく。だが、キーボードの打鍵感や、ファンの回る音は同じだ。名前が変わっても、本体が同じなら、結局は同じ作業を繰り返すだけなのかもしれない。カーソルがニュースの見出しの上で点滅する。その間、窓の外から蝉の声が一層強くなった。
朝の静けさ
窓から吹き込む風は、まだ熱を含んでいる。湿度が高く、肌に貼りつく感じがする。ディスプレイの明るさを一段階落とす。新しい名前が、これからこのツールを使う誰かにとって、どんな意味を持つのかは分からない。ただ、自分の習慣の中では、この朝の時間の端っこで、画面の向こうの変更をただ眺めているだけだ。コーヒーカップの底に、冷めた飲み残しが薄く広がっている。その表面に、窓の形が歪んで映る。そろそろ立ち上がろう。








