
滴る蛇口
蛇口の先
公園の片隅にある手洗い場の蛇口が、ゆっくりと水滴を落としている。午後の日差しが金属の表面を照らし、滴る水が一瞬きらめく。蝉の声が遠くから聞こえるが、耳元に近づく水滴の音のほうがはっきりと聞こえる。蛇口の先端で水滴が膨らみ、やがて重みで落ちる。その繰り返しが、時間の経過を刻んでいる。
落ちる間隔
水滴は一定の間隔で落ちる。口元で膨らみ、重みに耐えきれずに垂れる。その一連の動きを目で追う。落ちる瞬間、水滴は丸い形を保ち、空中でわずかに歪んでから、下の金属面に当たって小さな水溜まりを広げる。そのたびに、水滴音が生まれる。規則正しい間隔は、周囲の暑さとは無関係に続く。
乾きの跡
蛇口の表面には、以前の水滴が乾いた跡が白っぽく残っている。水が流れた後にカルシウム分が固まったのだろう。新しく落ちた水滴がその跡の上を伝い、古い跡と新しい水が混ざり合う。表面の温度は高く、水はすぐに蒸発し始める。地面にできた水溜まりの縁は、日差しで少しずつ縮んでいく。その速さを目で追いながら、また次の水滴が落ちるのを待つ。








