Blog

思考と技術の記録。besoft Blog

開発・設計・運用・プロダクトづくりのなかで得た知見を、読みやすくまとめて共有します。

記事一覧

投稿日が新しい順に表示しています。

朝顔の花のクローズアップ

朝顔の花言葉

朝、家の外に出ると、鉢植えの朝顔が三つ咲いていた。青紫色の花だ。蔓がフェンスに巻き付いている。葉はハート形で、水滴がついていた。昨日の夕方に小雨が降ったから、その名残かもしれない。

朝顔の観察

しゃがんで花を間近で見る。花びらの縁はほんのり白く、中心に向かって紫が濃くなる。朝日が斜めに当たり、花びらを透かして見せている。触るとひんやりと冷たく、表面はさらりとしていた。一つは完全に開ききっていて、他の二つは少し開きかけだ。蕾も一つある。明日には咲くのだろう。

朝顔は夏の花で、原産は熱帯アメリカと言われる。日本には奈良時代に薬として伝わったという説があるらしい。

花言葉

はかない恋

朝顔の花言葉でよく知られるのは「はかない恋」だ。朝に咲いて午後にはしぼむ、その短い命から来ていると言われる。確かに、今咲いている花も夕方には萎れているだろう。

愛情の絆

もう一つの花言葉「愛情の絆」は、蔓が絡み合う性質に由来すると言われる。一見正反対の意味だが、どちらも朝顔の生態に基づいている。

スマホで花言葉を調べていたが、時間を忘れていた。急いで駅に向かう。途中、別の家の垣根にピンク色の朝顔が咲いているのを見つけた。色が鮮やかで、思わず足を止めそうになる。しかし、そのまま歩き続けた。また明日も咲いているだろうか。

草の葉にとまるカタツムリ、朝露が光る

道端のカタツムリ

道端の草の葉に、カタツムリがいた。殻の色は薄茶色で、少しだけ動いた跡が葉の上に濡れた線になっている。葉脈が透けて見える。周りには他に何もいない。しばらく立って見ていた。カタツムリの触角が、ゆっくりと伸びては引っ込む。時間が経つのを忘れるような速さだ。

視線を外し、足元を見る。アスファルトの隙間から、小さな雑草が数本出ている。その葉にも朝露が乗っている。手を伸ばして触れてみる。指先が冷たく湿った。水滴を指でなぞる。跡が残る。朝の光が、葉の裏側から透けている。もう一度カタツムリに目を戻す。位置はほとんど変わっていない。殻の渦巻きが、はっきりと見える。葉の先の方へ目をやる。水滴がひとつ、落ちそうで落ちないまま揺れている。その水滴を見ているうちに、自分が息を止めていたことに気づく。まぶたの裏に、水滴の残像が浮かぶ。

遠くで鳥の声がした。高く澄んだ声ではない。短く、途切れ途切れに聞こえる。風がない。湿度が高く、肌に衣類が張りつく。背中に汗をかいている。口の中が渇いている。携帯電話を取り出しかけて、やめた。指先に残った水分を、ズボンで拭いた。そのままもう少し立っていた。自分の影が、アスファルトの上で短く伸びている。カタツムリが動いたかどうか、定かではない。横を通り過ぎる人はいない。静かだ。自分の靴の先が、アスファルトのひび割れにさしかかっている。それを最後に、歩き出した。

早朝の洗面台に置かれた歯ブラシと蛇口

早朝の洗面台、歯ブラシの柄

洗面台の縁に置いた歯ブラシの柄を持った。プラスチックの表面が濡れていて、指が滑る。蛇口からは水滴が一粒ずつ落ちる音だけが聞こえていた。

鏡に映る自分の顔の輪郭がぼんやりしている。窓から入る光がまだ弱いせいか、目の焦点が合わないせいか。陶器の洗面台に触れた手のひらに冷たさが伝わってきた。

歯ブラシを持ったまま、しばらくそこに立っていた。チューブから出した歯磨き粉の匂いが鼻先に届く。ミントの香りが強すぎる気がして、毛先をもう一度見た。白い泡が少しだけついている。

蛇口のハンドルに手を伸ばしかけたところで止めた。排水口の網に髪の毛が一本絡まっているのが見えて、そちらを見ていた。もう一度歯ブラシの柄を握り直したが、何も始めなかった。

夜明けの薄明かりの中、机の上に開かれた財布と散らばった小銭

夜明けの机、財布を開いたまま

机の上で財布を開いたまま、中を見ていた。小銭入れの部分を指で押し広げると、百円玉が三枚と十円玉が何枚か見えた。数えるまでもなく少ない。

札入れの方を覗いた。千円札が二枚。角が少し折れている。カードのポケットには交通系のカードとクレジットカードが一枚ずつ入っていて、その奥にレシートが二、三枚押し込まれていた。引っ張り出すと、コンビニのものだった。日付を見たが、いつ買ったのか思い出せなかった。

窓の外はまだ暗い。空気が冷たい。昨日は涼しかったから、よく眠れた。今日は打合せがある。そう思いながら、また小銭入れの方に視線を戻した。

最近散財が続いている。財布の中身も涼しい。そう思ったが、別に今確認する必要はなかった。財布を閉じずに、しばらくそのまま見ていた。

夜更けの東京の台所。ビールのグラスと湯気、窓の外の街灯。

夜更けの台所と静かな日常

帰宅の扉を開け、靴を脱ぐ。廊下の蛍光灯が灯り、冷えた風が肌を撫でる。リビングの机の上には開いたビール、グラスには薄い霜、窓の外の街灯が揺れている。静かな音が一つずつ増えていく。

少し歩くと天井の小さな照明が揺れ、涼風が部屋を抜ける。室温は少し高く湿気が肌にくっつく。ドアの隙間から夜の匂いが混ざり、遠くで誰かが電話している音がする。

瓶を取り出しグラスを冷やしてから注ぐ。冷たさが指の間を走り、泡が喉元で弾ける。口に運ぶと冷たさが喉を滑り、喉の奥に一瞬の涼風が広がる。

風呂場の扉を開けると湯気が白く伸びる。熱さと水の音が肩を伝い、鏡には薄く自分の輪郭が映る。蒸気の筋が消えかけ、静けさだけが残る。水の流れの音が遠くまで広がる。

晩御飯のことを思い出すが、今日は忘れてしまった。冷蔵庫の前で足を止め、野菜の色だけが目に残る。皿は洗われず、手はまだ動かない。眠りへと向く前、窓の外の風がカーテンを撫でる。

夜の台所のシンク脇に置かれた空の缶ビール

缶を置いた時の音、風呂上がりの台所

風呂から上がって台所へ入った。飲みかけの缶を流し台の脇へ置いたとき、底が当たる音が思ったより響いた。窓は少し開いていて、外から風が入っていた。

シンクの縁に手を当てて立っていた。髪から水が一滴落ちて首筋を伝った。缶の表面に水滴がいくつかついていて、置いた場所が濡れていた。指先でそれを拭いたが、完全には取れなかった。

晩御飯を食べていないことに気づいた。冷蔵庫を開けようとして、手が止まった。まあいいかと思った。体はまだ少し熱を持っていて、頬のあたりがぼうっとしていた。

窓の外から虫の声が聞こえた。今日は昼間より涼しい。扇風機を回さなくても寝られそうだと思った。缶を持ち上げて、もう一度置いた。さっきより音は小さかった。流し台の水栓が光っているのが見えた。

夜の机の上に置かれた冷めたマグカップとノートと鉛筆

夜の机、マグカップの冷め

マグカップを机に置いたのは、どのくらい前だったか。中はもう冷めている。表面の釉薬のざらつきが親指の腹に当たる。白い地に青い細い線が一本だけ入った、確か百均で買ったマグだった。台所から持ってきた時は熱かった緑茶が、今はぬるいどころかひんやりしている。底に少しだけ残っている茶葉が、回すと沈んだまま動かない。あの時は何か考えていたはずなのに、もう思い出せない。口をつけると、陶器の温度が唇に冷たく感じた。二度目に口をつけた時、温度はほとんど変わらなかった。

机の上には開きっぱなしのノートと、鉛筆が一本転がっている。ノートはA4の大きさで、方眼の罫線が引いてある。何行か書いただけで止まっている。書いた文字は漢字と平仮名が混じったもので、後ろの方の行は字が乱れている。ページの端が、冷房の風でかすかにめくれる。設定温度は二十六度にしているが、部屋全体がそれ以上に冷えている気がする。窓の外から、道路を走る車の音が時々聞こえる。トラックのエンジン音が遠くでこもる。あの車はどこへ行くのだろう。

マグカップを両手で包むと、陶器の冷たさが掌に伝わる。手のひら全体が冷やされて、少ししびれるような感覚がある。飲みかけの茶は薄い飴色で、天井の蛍光灯の光が水面に映っている。その光の輪が、ほんの少し歪んで見える。手の震えか、それとも机が傾いているのか。以前、この机の脚の下に一枚の紙を挟んだことを思い出した。がたつきは直ったはずだが、今日はまた違う気がする。

また車の音が近づいてきて、通り過ぎていった。その後、静けさが戻る。冷房の風が首の後ろに当たる。マグカップから手を離し、ノートの端を指でなぞった。ページの角が少し反っている。その反りを何度か往復させてから、手を止めた。指に紙の乾いた感触が残る。

夜の洗面所の棚に手を触れる様子

洗面所の棚、夜の手触り

洗面所の明かりを点けた。棚の取っ手を引いて開ける。

中の歯ブラシが二本、立ててある。一本はブラシの毛が開いていて、柄の色が白く濁っている。もう一本は新しいが、同じ形だった。奥に薬の箱がある。箱の端が少し破れていた。

棚の取っ手にもう一度触れる。指先に細かい溝の感触がある。指を離して、扉を閉めようとしたが、指が滑った。もう一度掴み直して、ゆっくり閉める。爪が取っ手に当たって、小さな音がした。

閉めた後も、指先に金属の冷たさが残っている。手のひらに汗がにじんでいた。首の後ろにも汗をかいていた。汗が背中を伝う。耳の裏にも汗をかいていた。

換気扇の音だけが聞こえる。湿度を含んだ空気が肌にまとわりつく。空気が重い。湿気で髪がうねる感じがした。換気扇の音が止まった気がしたが、まだ回っている。耳を澄ませると、かすかに羽根の回る音が聞こえる。汗が額にも浮かんでいる。まぶたが重い。

立ったまま、しばらくそこにいた。何かを取りに来たのだったか、もう思い出せなかった。思い出せないまま、もう一度棚の取っ手に触れる。今度は親指で溝をなぞる。爪の先で溝をなぞる音がかすかに聞こえた。

そのまま手を下ろした。指の間に汗が残っている。もう一度、取っ手に触れる。今度は手のひら全体で包み込むように。金属の温度が手に移る。そのまま手を離さないでいた。汗が垂れるのを感じた。

A dim kitchen at dusk with an open refrigerator, light illuminating vegetables and drinks inside

夕方の台所、冷蔵庫を開ける

夕方の台所に立つ。電気はつけていない。窓の外はまだ明るさが残っており、白っぽい雲が空を覆っている。その光が床に淡く落ちていた。

冷蔵庫の取っ手に手をかけると、金属の冷たさが指先に伝わった。引くと、中の灯りがパッとつく。冷気が顔に当たった。庫内は整理されていて、右側の棚にトマトが三つ、楕円形のボウルに入っている。その隣に卵パック、奥にペットボトルの麦茶。一段下にはキャベツの半玉がラップに包まれている。さらにその下の引き出しにはキュウリとナスが二本ずつ並んでいる。蛍光灯の光でトマトの表面がつやつやしていた。

冷蔵室の奥から、少し古くなったネギの匂いが混じった空気が流れ出る。温度差で庫内の扉の縁に水滴がついていた。手で触れると、ベタつかないが湿っている。

麦茶のペットボトルを取り出そうとして、指が横の卵パックに当たった。プラスチックの乾いた音がする。ボトルを掴むと、表面が結露で濡れている。そのまましばらく立っていた。冷気が足元に落ちるのを感じる。冷蔵庫のコンプレッサーの低い振動が床から伝わる。

麦茶を飲もうと思ったが、まだ喉が渇いていない。ペットボトルを元の場所に戻した。ドアを閉める時、ブレーカーのような音がした。暗い台所に戻る。まだ目が明るさに慣れていない。しばらくその場に立ち、スリッパのつま先で床の一部をこすっていた。冷蔵庫の灯りが消えた後の暗さが、目の奥に残っている気がした。

駐輪場の自転車の前かごに水滴がついている夕方の様子

自転車かごの水滴、夕方の感触

手を伸ばして、自転車の前かごに触れた。指先に冷たい感触がぶつかる。昨日の雨がまだ残っているらしい。かごの網目は金属製で、ところどころに水滴が丸く留まっている。指で軽くなぞると、水滴がいくつかつながって、一つの大きな滴になって落ちた。腕を伝って、水滴が肘の内側に当たる。冷たい。

駐輪場の端に置かれた自転車は、他に二台ほど。どれも前かごが濡れている。夕方の薄暗い光の中で、水滴が鈍く光っている。空は部分的に雲が広がり、星はまだ見えないが、雨の気配はない。日中は晴れていたらしい。

かごの中を覗くと、折りたたまれたスーパーの袋が一つ入っていた。触ってみると、湿っている。持ち主が置き忘れたのだろう。袋を取り出そうと思ったが、やめた。さらに濡れてしまいそうだった。

自転車のサドルに手を置く。こちらも冷たいが、かごほどではない。サドルの表面に細かい水滴がついていて、指で拭うと手のひらがしっとりする。サドルの端に水滴が垂れそうになっている。

ハンドルのグリップにも触れてみた。ゴムの表面が濡れていて、指が滑る。押すと、水が少ししみ出てくるようだった。その感触が、なぜか昔使っていた水鉄砲を思い出させた。あれも濡れたゴムの匂いがした。でも、それ以上は特に何も浮かばない。

駐輪場の地面にはもう水たまりはない。昨日の雨が嘘のように乾いている。自転車の金属だけがまだ冷えている。肘をかごの縁に置いて、水滴が落ちるのを待った。数秒後、一滴が垂れて、地面に小さな染みができた。次の一滴はなかなか落ちない。かごを少し揺らしてみようかと思ったが、やめた。そのまま、手を引っ込めて、ポケットを探る。何もなかった。立ち上がり、その場を離れた。

1 … 39 40 41 42 43 … 174