
水溜まりの縁
正午の路上に、ぽつりと水溜まりが残っている。小雨が上がってからまだ間もない。アスファルトの表面は湿り気を帯び、ところどころに暗い染みが広がっている。その中でひときわ大きな水溜まりが、空を映している。青空と、かすかに混ざる白い雲。時間とともに水は少しずつ減っていき、縁が内側へと縮む。
水の輪郭
水溜まりの形は不規則で、アスファルトの細かなひび割れに沿って歪んでいる。中央付近は少し深く、空の青が濃い。風がほとんどないので、水面は鏡のように静かだ。しかし時折、わずかな振動で微かな波紋が走る。それはおそらく遠くを走る車の振動か、自分の呼吸の揺らぎかもしれない。しばらく見つめていると、水の表面が少し曇ってはまた澄む。蒸発が進んでいるのだ。
陽炎の立ち昇る路
視線を上げると、水溜まりの先、アスファルトの上に陽炎が揺らめいている。熱せられた路面から立ち昇る空気の歪みが、遠くの景色を朧げにする。水溜まりの蒸気も混じって、かすかに湿った匂いが立ち込める。足元の地面はまだひんやりとしているが、顔に当たる日差しは強い。蝉の声が一匹、近くから聞こえてくる。間を置いて、また鳴く。その単調さが、この時間の密度を感じさせる。
水溜まりは確実に小さくなっている。縁の部分から乾いたアスファルトが顔を出し、やがて水は消えていく。その過程をただ眺めている。








