
凌霄花の情熱
凌霄花の橙に染まる朝
7月の終わり、朝の陽射しが一段と強くなる頃、路地の塀を覆うノウゼンカズラのつるが、オレンジ色の花を次々と開く。トランペット形の花は口径3センチほどで、内側に濃い橙の筋が走る。背の高い家々の間から斜めに差し込む光が、花びらを透かして淡く輝かせ、まだ低い湿度のため花の表面は乾いているが、夜露が残った葉先だけが光を反射している。
ノウゼンカズラという花
ノウゼンカズラ(凌霄花)は、中国原産の落葉性つる植物。日本へは江戸時代に渡来し、寺院や武家屋敷の庭によく植えられた。「凌」は「しのぐ」、「霄」は「空」を意味し、空まで伸びる勢いのある姿を表す。花期は7月から8月で、真夏の太陽の下で最も鮮やかな色を見せる。つるは自力で壁や樹木に巻き付きながら上昇し、吸着根でしっかり固定される。
花言葉「情熱」の由来
この花の代表的な花言葉は「情熱」と「名誉」。特に「情熱」は、燃えるようなオレンジの花色と、周囲を飲み込むように伸びるつるの力強さから生まれた。また、中国の唐代の詩では、凌霄花が高い木に寄り添って咲く様子を、献身的な恋の象徴として詠んだ例がある。花が咲き終わるまで色あせないのも、一途な思いを連想させる。
今日という日を生きるあなたへ
あなたの毎日にも、ノウゼンカズラのように真っ直ぐな情熱が必要なら、それはすでにどこかにある。朝の光に照らされた花を見上げるとき、その橙が何かを思い出させてくれるかもしれない。今日一日、あなただけのペースで、その色を咲かせればいい。
一輪の凌霄花が、青空と白い雲を背景に、静かに存在している。








