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思考と技術の記録。besoft Blog

開発・設計・運用・プロダクトづくりのなかで得た知見を、読みやすくまとめて共有します。

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夜の室内で電池ぶたがわずかに浮いたリモコン

夜のリモコン、電池ぶたのわずかな浮き

夜の部屋で、使い終えたリモコンをテーブルの端に置いた。手を離してからも、黒い外側の一部分だけが薄く明るく見えた。電池ぶたの端が、本体からほんの少し浮いている。

リモコンの電池ぶたを見る

浮きは下側の短い辺に沿っていて、左端より中央のほうがわずかに広い。隙間の中は真っ暗ではなく、部屋の灯りを受けた灰色の線になっている。右側の角は本体に沿ったままで、左右で境目の幅が違っていた。

境目にできた影

横から見ると、ぶたの表面はほぼ平らなのに、その端だけが少し上向きになっている。表面には細い擦り傷が二本あり、光を動かすと一方だけが白く見えた。指で中央を軽く押すと沈むが、離すと元の高さに戻った。乾いた硬さだけが伝わる。

音のない確認

窓の外は暗く、室内には小さな機械音が続いている。リモコンを持ち上げると、電池ぶたは外れず、本体と一緒に動いた。裏返した内側には丸い電池の縁が見え、ぶたとの間に細い空間が残っていた。戻してからも、浮きは同じ位置にある。僕の視線はその薄い影にしばらく留まった。

夜の自宅で細い隙間が見える網戸

夜の網戸、細いずれの隙間

夜の20時18分、僕は窓を閉めようとして、網戸の縁で手を止めた。外はもう暗く、室内の明かりが細かな網を灰色に浮かべている。右側の枠が、窓枠の縦線からほんの少し離れていた。

網戸の隙間を近くで見る

隙間は上から下まで同じ幅ではない。上の角では黒い線が重なっているのに、中央へ進むにつれて細い明るさが現れ、下の十センチほどでまた狭くなる。網そのものは四角い目を保っていて、ずれているのは枠の境目だけに見えた。

光が縁を変えて見せる

斜めから見ると、隙間の内側に室内の白い光が一本通る。正面へ戻ると、その光は消え、枠の黒さだけが残る。外の植木鉢は影になり、網の向こうで葉の輪郭が一度だけ揺れた。風の強さまでは分からない。

枠に触れると、網は動かず、縁だけがわずかに硬く返った。直すほどの変化か判断できず、手を離す。冷蔵庫の低い音が続く間も、細い線は同じ場所にあり、僕の視線だけがその境目に残っていた。

夕方の窓枠に光る細い溝

夕方の窓枠、細く光る溝

帰宅して、部屋の窓を開けようとしたとき、指先が窓枠の隅で止まった。枠の木の部分に、細く光る溝が一本走っている。夕方の光が斜めに差し込んで、そこだけ銀色に光っていた。

窓を開ける手をそのままにして、体を少し窓の方へ向ける。外では雨が小降りになり、アスファルトを叩く音が遠くで聞こえる。部屋の中は静かで、換気扇の低い音だけが続いていた。

溝は縦にまっすぐ伸びていて、長さは指二本分くらい。幅は爪の先ほどで、深さはわからない。表面の塗装が剥がれて、木の地が見えている。剥がれた縁はギザギザしていて、ところどころ小さなささくれが浮いている。

溝の中には灰色の埃が溜まっていた。光が当たっている部分は埃が浮き上がって見える。それ以外の部分は暗く沈んでいて、どこまで続いているのか判然としない。

窓枠のすぐ下には曇りガラスがはまっていて、外の光をぼんやりと通している。ガラスの表面は結露で濡れていて、時々水滴が伝って落ちる。溝のある木枠は乾いていて、ガラスとの境目に細い影ができていた。

一度窓から離れて、部屋の明かりをつけようかと思ったが、もう一度視線を溝に戻す。角度を変えると、光の反射が消えて、ただの黒い線に見える。埃の色もほとんどわからなくなる。

もう少し近づいて、顔を少し傾けてみた。そうすると、溝の一番上の部分がわずかに広がっているのが見えた。そこだけ塗装が大きく剥がれ、木が露出している。ささくれがいくつか重なって、小さな影を作っている。

しばらくそのまま見ていたが、窓を開ける用事を思い出して、伸ばしかけた指を戻した。窓枠から手を離し、体を部屋の中へ向ける。それでも、視線だけはもうしばらく溝に残っていた。

夕方の公園の植え込みの根元に半分埋まった石。湿った表面と周囲の細い根、乾いた土の質感。

植え込みの根元、土に埋もれた石

公園の隅にある植え込みの根元、土の表面に半分だけ埋まった石がある。大きさは親指と人差し指で作る輪くらい。形は丸みを帯びているけれど、完全な球ではなく、片側が少しだけ平らになっている。色は全体的に灰色で、ところどころに白っぽい粒が混じっている。

表面はざらついていて、土がこびりついたままの部分もある。雨のせいか、表面の一部が湿っていて、その部分はやや濃い灰色に見える。乾いている上の部分は埃っぽく、細かい筋がいくつか走っている。縁に沿って、茶色い細い根が何本か絡みついている。根は石の表面を這うように伸び、所々で土の中へ消えている。

石と土の境目を見ると、土が石の下半分をしっかりと覆っている。隙間からは、細かい砂粒が流れ出して、石の周りに小さな山を作っている。石の下の方は、土の湿り気のせいで黒ずんでいて、表面とはっきり区別がつく。日が当たっている面と陰になっている面があり、陰の部分では細かい凹凸がはっきりと見える。

しゃがみ込んで顔を近づけると、石の上の方に小さな割れ目があるのが分かる。割れ目の中にも細かい土が入り込んでいて、線のように見える。割れ目の縁は少しだけ欠けていて、角が丸まっている。触れてはいないが、見ていると、表面のざらつきや冷たさが伝わってくるような気がした。

立ち上がるとき、右足のつま先で石の近くの土を少しだけ動かした。細かい砂が石の表面に落ちて、湿った部分を覆った。石は動かない。そのまま植え込みの葉が風で揺れるのを背中で感じながら、僕は歩き出した。

植え込みの葉先に残った小さな水滴、曇り空の下の午前中

植え込みの葉先、まだ落ちていない滴

植え込みの葉先に、小さな滴がまだ残っている。きのうの夕方から夜にかけて小雨が降った。そのまま落ちずに、ここにある。

葉は濃い緑で、先端がわずかにとがっている。滴はほぼ球形に近いが、下のほうがわずかに細長く引き伸ばされている。表面は滑らかで、曇り空の白っぽい光をぼんやりと映している。葉先に接している部分は、細い帯のように緑色が濃く見える。

顔を近づけると、滴の中に周囲の葉が逆さまに映っている。上下がつぶれて、奥行きのない平面の絵のようだ。角度を変えると、映り込む葉の形が少しずつ変わる。僕の顔の影がかかると、一瞬だけ滴の表面が暗くなり、そのあと周囲の明るさに戻る。

少しだけしゃがんで、下から見上げる。滴の底の縁が、葉の裏側のくぼみに引っかかるようにして止まっている。葉の表面には細かい筋が何本も走っていて、その一本がちょうど滴の下まで続いている。

風はほとんどない。それでも、通りかかった人の足音でほんのわずかに葉が震え、滴がわずかに揺れる。揺れが収まると、またもとの位置で静止する。下のほうの葉に触れるか触れないかの距離を保っている。

しばらく見ていると、滴がごくゆっくりと先端のほうへ移動するような気がした。実際には動いていないのかもしれない。

そのまま触れずに、視線を隣の葉へ移す。そちらにも同じくらいの大きさの滴がついている。どちらも落ちそうで、まだ落ちない。

朝の光に照らされた紫陽花の花びらに触れる指先

朝の紫陽花、花びらの縁を指でなぞる

そういえば、ベランダの隅の紫陽花がまだ咲いていたなと思い、サンダルを引っかけて外に出た。鉢の土は乾いていて、表面に細かいひびが入っている。葉は朝の光を透かして、葉脈が浮き上がって見えた。

花に近づくと、青だったはずの色がところどころ緑がかっている。外側の花びらから順に視線を移す。一枚だけ、縁が茶色く枯れかかっていた。その縁に、人差し指をそっと当てた。力を入れずに、ただ乗せる。指先に伝わるのは、わずかなざらつきと、まだ残っている柔らかさ。ゆっくりと縁をなぞると、枯れた部分は軽く持ち上がりそうで、そのまま指を止めた。

風が吹いて、花全体が小さく揺れる。奥のほうの花びらは、中心に近づくほど青が濃い。蕊はもうほとんど落ちていて、数本が細く突き出ているだけだった。花びらの影が、下の葉の上で崩れた形に落ちている。人差し指を離して、今度は中指で別の花びらに触れた。こっちはまだしっかりしていて、表面に朝露のなごりか、ほんの少し湿り気がある。指をずらすと、かすかに冷たい感触が残った。

どこかで読んだ、紫陽花の花言葉のことをふと思い出す。確か、移り気、だったか。でもそれ以上は考えずに、もう一度、枯れかけた縁に指を戻す。さっきより少しだけ強く押してみると、花びらが内側にしなった。手を離すと、ゆっくりと元に戻りかけて、また風で揺れる。

早朝のガードレールに置かれたペットボトル、朝日を受けて輝く水滴

早朝のガードレール、置き去りのペットボトル

早朝のガードレールに、ペットボトルが一つ置いてあった。透明で、中身はもうほとんど残っていない。ラベルが半分剥がれかかっていて、朝の光を受けて少し透けて見える。指先で押してみると、へこんだ。パキッという音がしそうな気がしたけど、実際には小さな乾いた音だけだった。水でも入っているのか、底のほうにわずかな重みがある。ラベルの端をそっとめくると、粘着面に細かい埃がついていた。昨日降った雨のせいか、表面はしっとりと濡れている。親指でボトルの腹をかるくなぞると、水滴がいくつか転がって手に触れた。冷たくはなく、空気と同じ温度になっている。無意識に蓋を回しかけて、やめた。なにか中から声が聞こえそうで、少し躊躇した。風が吹いて、ガードレールに当たる音がした。僕はペットボトルから手を離し、そのまま少し歩いた。振り返ると、ボトルはまだそこにあり、朝日でラベルがきらりと光った。誰かがここで一息ついたのかもしれないし、ただ置き忘れただけかもしれない。どちらにせよ、僕はもう触れずに通り過ぎた。

早朝の草むらで葉先に水滴が付いている様子

早朝の草むら、葉先の水滴

今朝、外に出てみた。空気はまだひんやりとしていて、風はほとんどない。草むらの前にしゃがみ込む。

葉先に水滴がついている。何気なく、人差し指を伸ばして触れてみた。先端からそっと、力を入れずに近づける。すると、水滴は指に吸い寄せられるように移動し、指先を冷たい感触が包んだ。

水滴は、思ったよりもしっかりとした形を保っている。表面張力というやつだろうか。昔、理科の授業でそんな言葉を聞いた覚えがある。実際に触れてみると、教科書の図とはまったく違う感触だ。

指を離すと、葉はかすかに揺れた。水滴がなくなった葉先は、少し寂しそうに見える。周りを見渡すと、他にも同じような水滴がいくつかあって、光の加減でキラキラと輝いている。

もう一つ、今度は薬指で触れてみた。さっきよりも慎重に。水滴は同じように指に移り、また冷たさが広がる。二度目の方が、わずかに温度が低く感じたのは気のせいだろうか。

そのまましばらく、草むらを眺めていた。陽が高くなるにつれて、水滴が次第に乾いていく。特に何かをするでもなく、ただそれを見つめている時間が、妙に心地よかった。

結局、それだけで家に戻った。大したことじゃない。でも、まあ、こんな朝も悪くない。

早朝の台所で製氷皿を手に取る手元

朝方の冷蔵庫、製氷皿を引き出す

そういえば、冷凍庫の製氷皿を取り替えようと思っていた。まだ外は薄暗い。台所の灯りは点けずに、冷蔵庫の明かりだけで十分だった。

取っ手に指をかけて、そっと引き出す。人差し指と中指に力を込め、手前が浮いたところで親指に切り替える。製氷皿の縁はざらついていて、指の腹に細かい凹凸が伝わる。引き抜く途中で氷のきしむ音が響いた。

息を止めて、もう少しだけ引き寄せる。氷と皿の隙間からかすかな冷気が手のひらに落ちた。

隣の部屋で誰かが寝返りを打つ気配がして、動きが止まる。冷蔵庫のモーター音だけが耳につく。そういえば、昔の家の冷蔵庫はもっと賑やかだったな、と思った。集中力が途切れて、今の家の静かさと比べてしまう。

再び皿に手を伸ばす。今度は一気に引き抜いた。皿の隅に霜が薄く残っていて、指の熱でぷつぷつと消えていくのを眺める。すぐに結露が始まり、プラスチックの表面がしっとりと湿り気を帯びてきた。

氷は中心あたりが白く濁っていた。指で触れると、温度の差でぱきりと小さく割れる。その欠片が爪先に触れたまま、しばらく動かさずにいる。冷たさはすぐに鋭さを増し、指を離したあともひりつく感覚が残った。

さて、新しい水を入れるか。それとも、このまま戻しておこうか。シンクに置いたまま、蛇口をひねらずにいると、窓の外がようやく明るみかけてきた。空気がほんの少し白んでいる。製氷皿に注がれる光が、氷の縁を淡く浮かび上がらせる。

結局、何もしないまま数分立ち尽くす。指先はまだ冷たかった。

夜明けの薄暗い部屋で、飼育ケースの蓋を少し開け、中の鈴虫を覗き込む手元

夜明けの鈴虫、ケースの蓋を少しだけ開けた

眠れなかった。布団の中で何度か寝返りを打ったけれど、結局夜が明けてしまった。部屋の隅に置いた鈴虫のケースを見る。いつもならリンリンと鳴いている時間なのに、今朝は静かだ。暑さのせいかもしれない。そういえば昨日はかなり気温が上がった。

ケースの蓋に指をかける。人差し指で縁をなぞると、わずかに湿った感触がした。昨夜、霧吹きをした水が残っているのだろう。少しだけ蓋を開けてみる。隙間から冷えた空気が流れ込むのを感じた。中の鈴虫は動かない。死んでしまったのかと一瞬思ったが、足が微かに動いたので、生きてはいるようだ。

もう少し蓋を開け、指を中に入れてみる。土の表面に触れると、ひんやりとしていた。指先をそっと動かすと、鈴虫がわずかに身じろぎした。指が触れるか触れないかの距離で止める。虫の体から伝わるかすかな振動が指に伝わった気がした。

しばらくそのままにしていた。外から鳥の声が聞こえ始める。部屋の中はまだ薄暗い。もうすぐ本格的に明るくなるだろう。蓋を閉めないまま、窓の方を見る。空が白み始めている。鈴虫はまた静かになった。

そっと指を抜き、蓋を元に戻した。半分だけ閉めて、また考える。結局、完全に閉めてしまう。鈴虫は夜になったらまた鳴くだろうか。もしかしたら、今夜も暑いのかもしれない。

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