
ロボットの背中
雨の工房
雨音が工房の屋根を打つ夕方。棚に置かれたロボットアームの背中に、青いインテルのロゴが貼ってあった。機械油とオゾンの匂いが、湿った空気に混じる。
基板の透け具合
見慣れた文字。パソコンの筐体で何度も見たあのロゴが、関節の隙間から覗く基板の上にある。サーボモーターのわずかな唸りが、雨音に重なる。誰かが言っていた。インテルは四十年前からロボット制御のチップを供給していると。目の前のこの腕も、おそらくその流れの先にある。肘のあたりのカバーが半透明で、基板の緑と銅の線がぼんやり透けている。ロゴの縁が、蛍光灯の光で鈍く光る。
置かれた痕跡
窓の外はすっかり暗い。雨粒がガラスを伝い、街灯の灯りが揺れる。部屋の奥では、別のロボットが積み荷を移し替える乾いた音が響く。ロボットは何も言わない。ただ、プログラムされた通りに動くだけだ。けれど、その背中のロゴは、誰かがここに「インテル、入ってる」と示した痕跡だ。蛍光灯が瞬いた。ロボットの影が壁に伸び、一瞬歪んだ。








