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思考と技術の記録。besoft Blog

開発・設計・運用・プロダクトづくりのなかで得た知見を、読みやすくまとめて共有します。

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明け方の窓辺から外を眺める様子

まだ暗い朝、汗の匂い

目が覚めた。窓の外はまだ薄暗い。部屋の空気が重くて、肌にまとわりつく。エアコンが動いていない。昨夜、何度も寝返りを打っては目を覚ましたことを思い出した。時計は5時40分を指している。

ベッドの上で仰向けになり、首の後ろが汗でべたつく。手のひらで顔を拭うと、汗の匂いがした。シーツの湿った端を指でつまんだ。足の裏も湿っていて、フローリングに足を下ろすと少しひんやりした。床の冷たさが気持ち良い。

テーブルの上に、昨夜のコップと缶がそのまま置いてある。コップの水を一口含んだ。ぬるい。炭酸の抜けた味がした。そのまま窓の方へ歩く。

窓の外がだんだん明るくなるにつれて、部屋の中の家具の輪郭が見えてきた。網戸の向こうから、かすかに風が入ってくる。温度は変わらないが、空気が動く。遠くで電車の音が聞こえた。一番列車だろう。東の空が白み始めている。雲がなく、今日も暑くなりそうだった。空の色が変わっていく。青みがかった灰色から、白っぽい青へ。風が止んだ。また風が吹き始めた。網戸がかすかに揺れた。

街灯の下で何かが動いた。猫だった。立ち止まり、こっちを見ているように見えた。目が合ったような気がしたが、猫はすぐに塀の向こうへ消えた。遠くでカラスが鳴いた。もう一声、遠くから。耳を澄ますが、もう鳴かない。もう一度コップの水を飲もうかと考えたが、そのままやめた。

窓枠に両手を置いて、そのまま立っていた。指先が冷たい。首を回したら、音がした。冷蔵庫のモーターが鳴っている。低い音だ。

明け方の窓辺と残った酒のグラス

明け方の窓辺と残った酒

目が覚めた。まだ暗い。時計は5時34分。窓の外はうっすら青くなっている。身体中が汗でべとつく。Tシャツが背中に張り付く。昨夜、焼酎の水割りを飲みながらスマホを見ていて、そのまま寝てしまった。エアコンも扇風機もつけていない。窓は少し開けてある。入ってくる風は生暖かいだけだ。

ベッド横のサイドテーブルにグラスが置いてある。中の焼酎が1センチほど残っている。表面を指でなぞるとベタベタする。指紋がついている。一口飲む。ぬるくて水っぽい。まずい。すぐに置いた。枕を冷たい方に裏返すが、すぐに温くなる。

シーツが湿っていて、寝ていた形がくっきり残っている。外の電線にカラスが一羽止まっている。羽をばたつかせている。遠くで車の音がする。空が白み始めている。道路に面した部屋だが、まだ静かだ。隣の家から物音はしない。

グラスの中の液体を指先で揺らす。茶色っぽい色がグラスに沿って動く。指から酒の匂いがする。手を拭こうとしたが、タオルがない。左脚を布団の外に出す。生暖かい空気が足に触れる。変わらない。また引っ込めた。首の後ろが汗でべたついている。指で触るとざらつく。

自分の吐く息が酒の匂いがする。手のひらに息を吹きかけると、アルコールの匂いが強い。昨夜の飲みすぎを後悔する。水を飲みたいが、起き上がるのが面倒だ。もう一度横になる。天井の木目がぼんやり見える。節がいくつかある。眠れる気配がない。窓の外からゴミ収集車の音が遠くでするような気がする。まだかもしれない。

明け方の薄暗い部屋で回る扇風機

明け方の扇風機

扇風機の羽根が回る音だけが部屋に響いている。羽根の影が壁に映っているのが、目に入る。弱の風が顔を撫でるたびに、モーターの低い唸りが耳に残る。首振りのギアがカチカチと鳴る間隔が、ぼんやり数えられる。

昨夜は飲みすぎた。時計を見ると、もうすぐ五時半だった。エアコンをつけるのを忘れてそのまま寝てしまい、気づいたら汗でシーツが湿っていた。枕も湿っていて、ひんやりする。目が覚めたのはたぶん四時過ぎ。まだ暗かったけど、窓の外が少し青くなり始めていた。起き上がって、扇風機のスイッチを入れた。

湿度が高いせいか、風にまとわりつくような重さがある。風が汗ばんだ肌に触れるたびに、少しだけ涼しさが戻る。首を左右に振るたびに、風が途切れてまた当たる。そのリズムに合わせて、部屋の空気がゆっくり動く。狭い部屋だからこそ、風の循環がはっきり感じられる。

窓を開けてみた。外の空気はひんやりしている。アスファルトが夜のうちに冷えたのだろう。遠くで車の音が一つ。あとは静かだ。蝉の声が聞こえるような気もするが、はっきりしない。まだ朝が浅いのだ。

扇風機の前で立ったまま、外の気配を感じている。風が汗ばんだ首筋を冷やす。アルコールが抜けきらない頭がぼんやりする。部屋の隅に置いてある空のグラスが、薄暗がりの中で光っているように見える。風向きを変えるために、扇風機の首を少し傾けた。

そのまましばらく、動かずにいた。扇風機だけが回り続けている。

夜の部屋で扇風機の首振り部分を直している手のクローズアップ

扇風機の首を直す

扇風機の首振りが止まっていた。リモコンを手探りで探す。暗くて見えないが、手触りで分かる。首振りボタンを押す。ランプは点くが、首が動かない。もう一度押す。変わらない。リモコンの電池を確認する。蓋を開けて中を見る。電池はまだ使えそうだ。首の付け根を覗き込む。隙間に埃が詰まっている。細い指でそっと摘まむ。固まっていて取れにくい。少し力を入れると、ぼろっと取れた。その瞬間、カチッと音がして首が動き始めた。風が顔に当たる。直ってよかった。そのまま寝ようと思ったが、喉が渇いていた。冷蔵庫に行く。庫内の灯りが眩しい。麦茶を取り出す。グラスに注ぐ。氷が浮かんでいる。それを飲みながら、扇風機の風に当たる。もう一度リモコンを見る。首振りのランプは点いたまま。動きは安定している。実際に触ってみると、埃は油っぽかった。台所の油が混じっているのかもしれない。指を拭くためにティッシュを取る。窓を開けて寝よう。カーテンを開けると、外の空気が入ってくる。湿度が高いが、風がある。歯を磨こう。洗面所へ向かう。鏡を見ると、寝癖がついている。直そうと思ったがやめた。そのまま布団に入る。扇風機の風が気持ちいい。スマホの充電を確認する。まだ半分残っている。アラームは明日の朝七時に設定してある。それを確認して、枕を直す。右を向いて寝ようか左を向いて寝ようか迷う。結局、仰向けになった。目を閉じる。室温はまだ高いが、風があるので過ごしやすい。外からは車の音が遠くに聞こえる。

暗い洗面所の床に街灯の光が差し込む様子

洗面所の電気を消す

洗面所のドアを閉めてから、スイッチに手を伸ばした。指先でパチッと音がして、蛍光灯の明かりが消える。一瞬、完全な暗闇になる。目が慣れるまで、何も見えない。そのまま動かずにいると、さっきまで使っていた洗面台の水の流れる音が、まだ耳の奥に残っていることに気づいた。

足元のタイルの冷たさが素足に伝わってくる。湿度が高くて、床が少しべたつく。さっき歯を磨くときに水を跳ねさせた部分がまだ乾いていないのだ。

窓の外から、街灯の明かりがわずかに差し込んでいる。カーテンは半分だけ閉めてあったので、その光が床に細長く伸びていた。光の筋が、洗面所の中の輪郭をかろうじて見せている。

洗面所の電気を消すとき、いつもはすぐに寝室へ向かう。でも今夜はなぜか、その場を離れなかった。理由はよくわからない。ただ、暗くなった洗面所が、昼間とは違う空間に見えたのだ。壁際に掛けてあるタオルの白さが、わずかに浮かび上がっている。

電気を消す前に、鏡の中の自分の顔を見ていた。その顔が、消えたあとも目の裏に残っている。ぼんやりとした残像が、だんだんと暗闇に溶けていく。何かを忘れている気もしたが、思い出せなかった。

その直後、換気扇のスイッチが入ったままだったことに気づいた。消そうかと思ったが、暗闇の中でスイッチの位置を探すのが面倒で、そのままにした。低いモーター音が、遠くで続いている。

やがて、廊下の方から冷たい空気が流れてきて、足首に当たった。そろそろ寝室に戻ろうと思い、洗面所をあとにした。ドアを閉める手が、少し湿っている。歩き始めると、廊下の明かりが足元を照らした。洗面所の暗さとは違う、安定した明るさだった。

夜のキッチン、まな板の上のシャインマスカット、一粒に浮かぶ奇妙な模様

マスカットの星

袋を開けて、一粒取り出した瞬間、指が止まった。

シャインマスカットの表面に、黒い点が二つ並んでいる。しかも、その下にうっすらと曲線。まるで顔のような何かだ。虫が止まっていた跡だろうか。それとも、成長の過程でできた傷なのか。

僕はその粒を照明にかざした。光を通すと、黒い部分がかえってはっきり見える。目を凝らすと、確かに左右対称の模様——小さな住人が潜んでいるみたいだ。

最初は気持ち悪いと思った。食べるのをやめようか。でも、よく見るとその「顔」は、怒っているわけでも悲しんでいるわけでもない。ただそこにある。ふと、ネットで見た「マスカットに現れた生き物」という話題を思い出した。

結局、その粒はそのまま食べた。模様の部分だけ避けようか迷ったが、そのまま口に入れた。味は普通のマスカットだった。甘くて、少しだけ硬い。食べ終わった後、種を捨てる時に、またあの模様を探したけれど、もう見えなかった。

窓の外では、雨がぽつりぽつりと降り始めていた。傘を持って出ればよかった。でも、まあいいか。あのマスカットの住人は、今夜は僕の胃の中で眠っている。

夜の霧雨に濡れたアスファルトと自販機の灯り

夜道の霧雨と自販機の灯り

夜の街を歩くと、アスファルトがひどく湿っている。さっきまでの霧雨が道路の表面を薄く覆い、靴底からは水を吸ったスポンジのような感触が伝わってくる。昼間の熱がまだ地面の奥に残っているのか、足裏から生ぬるい温度が這い上がる。空気は重く、肺の奥まで湿り気が染み込むようだ。通り過ぎる車のタイヤが、濡れた路面をかすかに音を立てて進む。その音が、夜の静けさをかえって際立たせる。耳を澄ますと、霧雨が街灯の笠に当たるかすかな音も聞こえる。

信号待ちで立ち止まると、向かいの自販機の灯りが水たまりに映っている。その光がぼやけて揺れているのが、今にも消えそうな電球みたいだった。自販機の冷たい光が白く光り、中に並んだ缶飲料の色がぼんやりと浮かんでいる。ふと、子供の頃、雨の日に母が傘を持って迎えに来てくれたときのことを思い出す。母の傘は水色で、その下から見える自販機の灯りが、同じように濡れたアスファルトに映っていた。あの頃はなんとも思わなかったが、今ではその光景が妙に温かく感じられる。

家に着いて靴を脱ぐと、靴下の先が冷たく湿っている。洗面所で手を洗いながら、窓の外の暗がりを見る。庭の植え込みの葉が、霧雨を受けてかすかに光っている。まだ霧雨が続いている。冷えた指先を蛇口の下で温めながら、その感覚を味わう。その静けさが、どうしようもなく懐かしかった。今夜感じたこの湿った空気も、いつかは思い出の一部になるのだろう。

洗面所のフックにかかった湿ったバスタオルのクローズアップ

湿ったタオルの重さ

風呂上がりに使ったタオルは、もう一度洗濯機に放り込む気にもならず、とりあえずフックにかけた。夜の九時に近い。外では霧雨が降ったりやんだりしている。湿度が高いせいか、タオルは夕方から乾き始めたまま、中途半端な湿り気を帯びている。

湿った感触

手で触れると、冷たくて少し重い。昼間の汗や水滴を吸い込んだ繊維が、空気中の水分までも抱え込んでいるらしい。表面はざらついているのに、内側はねっとりとしている。この感触が、なぜか子供の頃の夏のプールバッグを思い出させる。濡れた水着をビニール袋に入れたまま帰宅し、次の日になって開けたときの、あの生温かい匂い。

夜の雨音

窓を開けると、かすかに雨の気配がする。アスファルトを叩く細かい滴の音。風がないので、湿った空気がそのまま部屋に入ってくる。タオルの湿り気は、この外の空気と同じ重さかもしれない。洗面台の鏡が曇っているわけでもないのに、なぜか視界がぼんやりしているような気がした。

タオルはまだ湿っている。手を拭くには気持ち悪いし、かといって乾かすために外に干す気にもなれない。明日の朝までこのままだろう。そのままの状態で、夜は更けていく。

夜の霧雨に濡れた葉の先の水滴

夜の霧雨、葉の先で

空から落ちてくるのが雨なのか、ただ湿った空気が触れるだけなのか、区別がつかなくなる。夜の霧雨は、傘をさすほどではないが、しばらく外にいると髪の先が重くなる。肌にまとわりつくような湿気が、夏の夜の温度を逃がさない。

水滴の重み

玄関先のヤブランの葉を見る。細長い葉の先端には、無数の水滴が集まっている。葉脈に沿ってゆっくりと移動し、やがて一つの大きな雫が落ちる。そのたびに葉が跳ね、また新しい水滴ができる。指でそっと触れると、水滴が指先に移り、冷たさが皮膚に染みる。葉の表面はツルツルしていて、水をはじく。

街灯の灯り

街灯の下では、無数の水滴が光の筋になって見える。風がないので、まっすぐに落ちていく。地面の水溜まりに灯りが映り、わずかに揺らめく。アスファルトの色が濃くなり、白線がくっきりと浮かび上がる。湿った空気が光を散乱させて、いつもより街灯がまぶしい。

耳を澄ます

音はほとんどしない。かすかに、水滴が葉に当たる音や、雨樋を伝う水の音が聞こえる。遠くで犬の鳴き声がしたが、すぐに静かになった。車の通らない時間帯で、街全体が息を潜めているようだ。自分だけがここに立っているような錯覚に陥る。

湿度88パーセントの空気を吸い込むと、肺の中がしっとりする。今日一日の暑さが嘘のように、気温は25度まで下がっている。明日はさらに雨が強まるという予報が、頭の片隅にある。今夜はこのまま、葉の先で揺れる水滴を見ていたい。

台所のまな板の上に置かれたレモンの輪切り

レモンの輪切り

帰宅して玄関の鍵を回す。湿った空気がまとわりつく。小雨が降っているらしく、カバンの表面がしっとりしていた。

台所の輪切り

灯りをつける。蛍光灯の白い光が、まな板の上を照らす。そこに、レモンの輪切りが一枚、ぽつんと置いてあった。朝、自分で切ったものだ。半分に切ったレモンをラップに包んで冷蔵庫に入れたはずなのに、なぜか一枚だけ残っていた。

断面はまだみずみずしい。白い内皮が縁取り、果肉の粒がぎっしり並んでいる。指で触ると、ひんやりとしている。鼻を近づけると、酸っぱい香りが一気に広がる。昼間、このレモンを絞って何にかけたのだったか。サラダか、それとも魚だったか。記憶が曖昧だ。

水に浮かべて

グラスに水道水を注ぎ、そのレモンを浮かべる。指で押し込むと、果汁がしゅわっと広がり、水面に油のような膜ができる。一口含む。冷たさと酸味が喉を通り抜ける。

窓の外はもう真っ暗だ。雨音がかすかに聞こえる。湿度が高いせいか、窓ガラスが少し曇っている。外灯の光がぼんやりと滲む。

一日を思い返そうとするが、どれも輪郭がぼやけている。このレモンの輪切りだけが、やけにはっきりとそこにある。

飲み終わったグラスをシンクに置く。レモンはもう色があせ始めている。捨てるか迷いながら、もう一度水を注ぎ、揺らす。時間がゆっくり流れる。雨音だけが続く。

この一枚のレモンがなければ、今夜は何も起こらなかっただろう。でも、実際は何も起こっていない。ただ、台所で立ち止まっただけだ。

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