
ベルトファンの風、昼の部屋
窓の外は日差しが強く、午後一時の気温が三十度を超えているらしい。部屋の中はエアコンを入れているが、それでもじっとりとした暑さが残っている。机の上に置いたベルトファンのスイッチを入れると、細かな振動が指先に伝わってきた。
ベルト部分は黒い布地でできていて、折りたたんでスタンド代わりに机に立てかけている。風量は三段階あって、今は真ん中の強さだ。モーターの音は思ったより静かで、風が前髪を揺らすだけのひたむきさがある。机の上には書類が何枚か広がっていて、扇風機の風がその端をわずかに浮かせている。
充電ポートはUSB-Cで、ケーブルが机の縁から垂れている。ランプは青く光っている。底面にゴムの滑り止めがついているが、机の上では少しずつ位置がずれる。遠くで車の通る音が聞こえる。扇風機の首は固定で、向きを変えるには本体ごと回さなければならない。
机の上の温度計は三十一度を示している。湿度の数字は見ていないが、肌にまとわりつく空気の重さは感じる。ベルトファンの側面には電源ボタンと風量切り替えボタンが並んでいる。押すたびにカチッと小さな音がする。
画面を見続けていると、腕の皮膚に空気の流れが途切れる瞬間がある。風が直接当たっている場所と、そうでない場所の温度の違いがはっきりと分かる。外では蝉の声が聞こえる。風が途切れると、耳の裏が汗ばんでいるのに気づく。








