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思考と技術の記録。besoft Blog

開発・設計・運用・プロダクトづくりのなかで得た知見を、読みやすくまとめて共有します。

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午後の東京の街路を歩く男性の横顔と、水たまりに映るネオンの光、傘と自販機の前景

午後の東京で見つけた小さな景色

午後の東京、16時45分の歩幅

今日は16時45分、東京の街路は夏の湿気をまとっている。風は頬をかすめ、街灯の影が水たまりに揺れる。僕は急がず緩く歩幅を合わせ、前の人の影と自分の影を見比べた。

第一の観察

自販機の青い光が路面を濡らし、紙コップが風でころがる音が響く。路地の奥では子どもが笑い、傘の縁が水をはじく。パン屋の焼ける匂いがつんと鼻を刺し、店主の「いらっしゃい」が風に流れた。路上には小さな音楽も混ざっていて、通りの真ん中で人の吐息が止まり、車の音だけが遠くに残る。路上には通りの音楽が混ざっていた。

第二の考え

信号のたびに体の重心が移動する。買い物袋の結び目を直し、路面の匂いを嗅いで心の窓を開ける。遠くのビルの影が、夏の空気の層として胸の奥にたまっていく。近くの路地から子犬の鳴き声が絡んできて、耳の奥がくすぐられる。

第三のつながり

露店のおじさんが「今日は暑いね」と言い、僕は「うん」と返す。その短い会話の間に、街と自分の距離がほんの少し縮んだ気がする。歩くたびに靴の裏の湿り気が指の先まで伝わる。僕の影はビルの隙間で二重に伸びていた。僕はペットボトルを少し冷やす方法をひそかに考えた。

結びは、帰路の静かなリズム。窓から漏れる光と風の匂いが、今日の色を少しだけ濃くしていく。僕はそれを胸に刻み、次の角へと足を向けた。今日はそんな小さな景色の連続だった。それだけのことが、今日の僕を少しだけ軽くした。

曇りの日に消えかかった白線のある横断歩道

曇りの昼前、横断歩道の白線が消えかけていた

コンビニに行く途中、横断歩道の白線が消えかけていた。いや、消えかけているというより、剥がれかかっているという感じだった。

線の端がところどころ欠けて、アスファルトの灰色が斑に覗いている。特に真ん中あたりがひどくて、よく見ると線の輪郭が波打っていた。誰かが消しゴムで消そうとしてやめたみたいな形だ。

僕は立ち止まって、その剥がれ方を見ていた。線の欠けている部分が、なぜか地図上の島の形に見える。大きな島の南側が少し凹んでいて、その下に小さな島が二つ並んでいる。信号が青に変わるまで、そんなことを考えていた。

ふと、この白線は誰が塗っているんだろうと思った。夜中にやっている気がするけど、見たことはない。昔ベランダの柵を塗ったとき、はみ出したペンキをシンナーで拭いたら、布についてきた色がこんな風にまだらだったのを思い出した。

横断歩道を渡りきってから、もう一度振り返った。遠くから見ると白線はちゃんと白い線として見える。近づかないと欠けているのが分からない。渡ってきた歩行者も、みんな普通に歩いていた。

コンビニでお茶と、ついでに小さなチョコレートを買った。レジの女性が袋に「お箸つけますか」と聞いて、いらないですと答えた。このやりとりはいつも変だと思う。チョコレートにお箸は出ない。

帰り道、また同じ横断歩道を通った。信号待ちの間に、さっき見た欠け方をもう一度確認しようとしたけど、場所が分からなくなっていた。

昼前のデスクの上で、消しゴムの横にクリップが転がっているようす

昼前のデスク、消しゴムの横で転がっていたクリップ

朝のうちにやろうと思っていたことが、まだ手つかずのまま十時を過ぎた。窓の外は曇っていて、東京の八月とは思えないくらい涼しい。エアコンをつけずに座っていると、机の上で目が覚めたような気分になる。

ペン立ての横を見ると、消しゴムのすぐそばにクリップが一つ転がっていた。昨日の夜、書類をまとめたときに落としたのかもしれない。拾おうとして指でつまもうとしたが、うまくつかめず、反対側に転がっていった。

その拍子に、手が小さなシャープペンシルに当たった。ペン立てが少し傾き、中の鉛筆が一本、机の上に転がり出た。鉛筆はもうずいぶん短くて、消しゴムが付いていないものだった。なぜこの短い鉛筆をまだ捨てずに置いてあるのか、自分でも不思議だが、何となくもったいない気がして残している。

クリップを拾おうとして、今度はクリップと鉛筆の間に入り込んでしまった。指が太いのか、クリップが小さいのか。結局、鉛筆を動かしてからクリップをつまんだ。クリップは買ってきたときのままの銀色で、曲がりもなく、きれいだった。

そのクリップをどこに戻そうか考えたが、もともとどこにあったのか思い出せない。書類に挟むほどでもないので、とりあえずペン立ての中に戻した。ペン立てにクリップを入れても仕方がない気もするが、机の上に置いたままだとまた足に当たりそうだった。

窓の外でツバメが鳴いている声が聞こえた。昼前のこの時間にツバメの声を聞くのは、いつものことだが、今日は少し高く聞こえた。短い鉛筆を手に取って、ある絵のことを思い出していた。

曇り空の朝、玄関先の植木鉢とアサガオの葉

朝の玄関、開けたらまだ曇り空だった

今朝は八時半を過ぎても、外はまだどんよりとしていた。八月に入ったのに、梅雨が戻ったみたいな空だった。玄関のドアを開けると、ひんやりした風が入ってきた。

昨日の夜から降っていた小雨が朝方に上がったらしく、玄関の前の植木鉢はまだ湿っていた。アサガオの葉が水滴で重そうで、手でそっと触れてみたら、石畳のところへぽとりと落ちた。その石畳には、アサガオの葉っぱが一枚、裏向きに張り付いていた。いつ落ちたのか分からないけど、昨日の雨で飛んできたのだろう。

そういえば、この前の朝も似たような曇り空だった。あの日は傘を持たずに家を出て、途中で降られてしまった。今日は他のことを考えていたから、また傘を忘れそうになった。家の中に戻って、玄関に吊るしてある傘を一本手に取った。

傘を持って外に出ると、道を掃いているおばあさんがいた。挨拶をしたら、「今日は雨が降るかもしれないね」と言った。曇っているけど、雨が降るかどうかは確かには分からない。でも、その言葉を聞いて、傘を持ってきたのは正解だったかもしれないと思った。

アサガオの葉が裏向きに張り付いたままなのが、なんだか気になっていた。

朝の縁側で朝顔の鉢を眺める男性

朝の縁側、触ったら落ちた朝顔の葉

今朝はいつもの朝顔の鉢の前にしゃがみ込んだ。昨日の夜に降った雨で、葉っぱが濡れていた。触ってみたら、ぽろりと一枚、指先に葉が落ちてきた。枯れているわけでもないのに、まだ青々とした葉だった。朝顔の葉は、こうやってよく落ちる。触ったからか、それとも昨日の雨のせいか、分からない。

前の晩から喉が痛くて、起き抜けに水を飲んでから縁側に出た。だから余計に、手元がおぼつかなかったのかもしれない。落ちた葉を拾って、裏返してみた。表も裏も、特に変わりはない。ただ、付け根のところが少し折れていた。それだけで、さっきまでついていた葉が、もう元に戻らない。

そのまま葉を置いて、朝顔の蔓をたどってみた。手を離すと、葉は土の上に落ちたままだった。しばらく見ていたけれど、拾い上げようとは思わなかった。土に返るなら、それでいいような気がした。

朝の光がまだ低くて、縁側の半分だけが明るい。その境界線のところに、朝顔の鉢が並んでいる。どの鉢も、つい最近まで咲いていた花が終わって、種ができかけている。葉が落ちるのも、そういう時期なのかもしれない。でも、まだ青い葉を落としたのは、ちょっと早い気がした。

結局そのまま、落ちた葉は土の上に置いておいた。朝顔の花はまだ一つか二つ咲いている。その花だけ見て、縁側から戻った。

夜のベランダでゴーヤのプランターに水をやる手元のイラスト

夜のキッチン、まだ咲かないゴーヤの花

夜の八時過ぎ、キッチンの窓を開けて、ベランダのゴーヤに水をやった。昼間はあんなに暑かったのに、夜になると風が涼しくて、肌に触れると少し冷たいくらいだ。

プランターのゴーヤは、まだ花が咲かない。つるは伸びてネットに絡まり、葉っぱは大きくなっている。でも、花芽らしきものは見当たらない。去年は確か、もっと早くに咲いていた気がする。記憶はあいまいだけど。

水をやりながら、葉っぱの裏をめくってみた。アブラムシが付いていないか確認したかった。付いていなかった。それだけのことなのに、何だか安心して、そのまま葉っぱを何枚か触った。

窓の明かりがプランターに届いて、ゴーヤの影が壁に映っていた。その影を見ながら、ゴーヤは夜にも成長しているんだろうか、と考えた。ネットで調べればすぐに分かることだけど、今はこのまま分からないでいいやと思った。

水やりを終えて、ホースを片付けようとしたら、足元に小さな蛾が落ちていた。羽は茶色っぽくて、細かい模様があった。死んでいるのかと思って、そっと指でつついたら、突然飛び立って、夜の闇に消えた。

その拍子に、蛾はどこから来たんだろうと考えた。窓の隙間から入ってきたのかもしれないし、最初からベランダにいたのかもしれない。どちらにせよ、ゴーヤではなく虫が気になって、結局ホースを片付けるのを忘れて、まだしばらくベランダに立っていた。

夜のベランダで線香花火を持つ男性と、火のつかない一輪

夜の線香花火、火のつかなかった一輪

夜の八時前、急に線香花火をやりたくなって、コンビニまで買いに行った。袋のままベランダに出る。風があまりなくて、蚊はいるかもしれない。ちょうど、昨日の夕方に汗をかいたときに脱いだシャツに、虫よけスプレーをかけてから外へ出た。

一本目を火で燃やした。先がふわっと赤くなって、小さな火の玉になる。それが揺れて、ぽとりと落ちた。

三本目のときに、火がつかないのがあった。最初は焦げているのに、火が先まで伝わらない。もう一度つけようとしたけど、マッチの火を近づけるだけじゃだめで、結局その紙の部分で火が消えた。僕はそれを一度足元に置いて、なんでつかなかったのか考えた。湿気かな、と思ったけど、残りはすんなりついているから、多分だけど、製造のときに紙が重なったんだろう。

その火のつかなかった一輪を、しばらく手に持って眺めていた。先だけ、焦げ茶色に変色して、残りの部分は白い。僕はどこで折ろうか迷った。線香花火って、火のついた後に折ると持ちやすくなることを、確か去年の八月に知った。折る場所が悪いと、火が紙に伝わって手元に進んでくる。

結局、火はついたけれどしばらくすると火の玉が落ちた。短い間だった。

足元を見たら、前にやった花火の灰がまだ残っていた。いつのだか分からない。風に吹かれて、少しずつ減っていた。ベランダに置いてある植木鉢の横で、七輪の火が消えた後みたいに、細かい灰が固まっていた。それを掃き集める前に、次の一輪をつけた。

夜のバルコニーで朝顔の種を手に取る様子

夜のバルコニー、咲き終わった朝顔の種を取る

風呂上がりにバルコニーへ出てみると、朝顔の花がすっかり萎れていた。昼間のうちに咲いたのだろう、青い花びらがしぼんで、くるりと丸まっている。紐に絡まったつるの先に、いくつかは落ちずに残っていた。明日の朝には新しい花が咲くはずで、それまでには花がらを摘んでおきたかった。

摘むついでに、咲き終わった後の丸い実のようなものに指が触れた。触るとぱりっと硬い。もしかして種になるのかと、一つもいで掌に載せてみた。緑色だったのが茶色く変わっている。親指で割ると、中から黒い種が三つ、きれいに並んで出てきた。朝顔の種がこんな形で入っているのを、初めてちゃんと見た気がする。小学校の理科で植えた時は、買った種を埋めただけだった。

茶色い殻の内側は、薄い膜みたいなものが張っていて、種を外すと少し湿っていた。他の実も割ってみたくなり、枯れた花を探して手当たり次第に触る。まだ青いのは固くて開かない。開くのは茶色く乾いたものだけだった。結局、取れたのは十二個。数えながら、去年の夏に種をまいた時のことを思い出した。近所の人がこぼしてくれた小さな袋。

ベランダの手すりに置いた種を、アパートの下の明かりで見ていると、暗くなってきて形がぼやけ始めた。虫が一匹、蛍光灯の周りを飛んでいる。種は小さな封筒に入れて、引き出しの奥にしまおうと思ったが、どこに置いたか忘れてしまいそうで、結局、植木鉢の横に置いたままにした。明日また、見つけられるはずだ。

夕方の網戸の前で虫よけスプレーを持つ手

夕方の網戸、開いたままの虫よけスプレー

夕方、網戸を開けたままにしていた。閉め忘れではなく、わざとだ。ちょっと風を通したくて。

それで、テーブルの上に置いてあった虫よけスプレーを手に取った。8月に入ってから、夕方になると網戸の外側に虫が集まる。特にカメムシ。今日はまだ見かけないけど、スプレーを網戸の桟にかけておけば、少しは寄ってこない気がする。

手に取ったのは、確か去年買ったものだ。缶を振ってみると、中身が少なそうな軽さ。シュッと試しに吹いたら、案の定、霧がすぐに切れた。もうだめかもしれない。でも、捨てる前に取説を読むと、「残量確認のため、缶を逆さまにして吹く」と書いてあった。逆さまにして吹いてみると、かすかにスプレーが出た。まだ少しだけ残っているらしい。

そのまま逆さまにした缶をしばらく見ていた。虫よけスプレーの缶は、部屋の湿度計みたいに置き場所を選ぶ。なぜか自分は、これを棚の隅の奥に置く癖がある。手に取るたび、背後のホコリに気づく。

スプレーを網戸の下のほうに一吹きして、缶を戻した。まだ使えそうだ。だが、いちいち逆さまにするのは面倒だ。新しいのを買うべきか。そう思いながら、台所にあった「洗剤」のボトルを手に取ってしまった。同じ形式のポンプなのに、中身は虫よけではない。はっきり言って、時間の無駄だった。まあ、缶の残量を確かめただけで、今日はもういいか。

午後の台所で買い物袋を広げる男性

午後の買い物袋、折り目の癖

午後、成城石井で買い物をして、ついレジ横の買い物袋を買ってしまった。825円。普段はエコバッグを持ち歩く方だけど、今日は忘れて、しかも保冷剤入りのものをいくつか買ったので、どうせならと思って。

この袋、底板が入っていて、置いても倒れない。それは確かに便利だ。家に帰ってから、買ったものを出して、試しに空の袋を床に置いてみたら、ちゃんと立った。気持ちがいい。

でも、たたんで収納しようとしたとき、折り目の癖がついているのに気づいた。新品なのに、最初から決まった場所で折れている。たぶん、工場でたたまれたときの癖だ。僕はそれを伸ばそうとして、逆に余計な折り目をつけてしまった。

袋の内側に、小さなポケットがあった。何に使うんだろう。レシートを入れるには浅いし、保冷剤を入れるには場所が微妙だ。しばらく眺めて、結局何も入れなかった。

そういえば、この袋を買う前に、隣の棚にあった同じ形の黒い袋と迷った。黒のほうが汚れが目立たないだろうけど、夏だし、この生成りの色のほうが涼しげに見える。それでこの色にした。実際、今日の暑さは35度を超えていて、外に出た瞬間、袋の色なんてどうでもよくなった。

買った袋は、今、台所の椅子の背に掛けてある。たたむのをやめて、とりあえず干している。乾かしているわけでもないけど、まだ折り目のことを考えている。

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