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思考と技術の記録。besoft Blog

開発・設計・運用・プロダクトづくりのなかで得た知見を、読みやすくまとめて共有します。

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セブン-イレブンの棚に並ぶちいかわコラボの赤魚の煮付のパッケージ

セブンのちいかわ赤魚の煮付、午後の棚で

午後4時を過ぎた頃、セブン-イレブンに立ち寄った。ガラス戸の隙間から冷房の風が漏れてくる。店内は夕方の薄暗さと蛍光灯の白い光が混ざっていた。靴底が床に引っかかるような感触がある。サッカー台の横の棚に、見慣れないパッケージがいくつか並んでいる。

近づいてみると、ちいかわのキャラクターが印刷された「赤魚の煮付」だった。昨日、SNSで「人の心はあるのか」なんて書き込みが話題になっていたのを思い出す。透明の容器から煮汁の色が透けて見える。蓋のシールが少し浮いていて、親指で押さえてみた。骨があるのかどうか、パッケージの裏の表示を確認しようとしたが、細かくてよく読めなかった。

横の棚には同じコラボのパンやお菓子が何種類か並んでいる。どれもキャラクターの大きなイラストがついていて、子どもの頃に好きだったシール付きのお菓子を思い出した。つい手を伸ばしたが、財布の中身を思い出して引っ込めた。

冷蔵ケースの前まで歩いてから振り返る。あの赤魚の煮付、買っておけばよかったかなという気持ちが一瞬よぎる。でも今日はやめにした。レジに向かう途中、もう一度棚を見た。紫色のパッケージが一つ、まだそこにあった。夕方の日差しが棚の端に当たって、プラスチックの蓋が少し光っている。店を出る前に、もう一度だけ横目で棚を見てからドアを押した。

午後の商店街の歩道、排水溝の金網に日差しが影を作る

歩道脇の排水溝、午後の陽射し

商店街の歩道を歩いていると、足元の排水溝に目が留まった。金網の格子が、斜めの日差しで影を作っている。網の目が長方形に伸びて、アスファルトに刻まれている。

昨日の雨がまだ少し溜まっているのか、網の下が暗く見える。表面は乾いているが、触ってみると少し湿っていた。指先に砂がついた。

向こうから自転車が来る。ベルを鳴らさずに、ゆっくりと通っていく。女性の後ろの荷台に、ビニール袋が二つぶら下がっている。何が入っているのか、考えてもわからない。

歩道の端に目をやると、タバコの吸い殻が一つ落ちている。フィルターの先が少し潰れている。昨日の雨で濡れたのか、色がにじんでいる。それを見てから、また排水溝に目を戻す。

金網の一部が少し浮いている。誰かが蹴ったのだろうか。つま先で軽く押してみると、カチッと音がした。そのままにしておく。

ふと、子どもの頃に使っていた将棋の駒を思い出す。木の表面がひび割れて、触るとざらざらしていた。あの感触が、指先に蘇る。なぜ今、そんなことを思い出したのかわからない。また歩き始める。

角を曲がると、自動販売機が二台並んでいる。缶コーヒーのボタンが一つ、押し凹んでいる。誰かが押したまま戻らなかったのだろうか。

振り返ると、さっきの排水溝の影がもう少し長くなっている。何分経ったのか。立ち止まっていた時間が、測れない。

午後の交差点で巻き上げられるシャッター

午後の交差点、巻き上げられたシャッター

午後の交差点。信号待ちで立ち止まると、向かいの店先でシャッターが巻き上がる音がした。金属の擦れる音が乾いた空気に吸い込まれていく。店主らしい男が腰をかがめて、手動のハンドルを回している。シャッターはゆっくりと上がり始めたが、途中で止まった。男がハンドルを逆に回し直す。もう一度巻き上げると、今度はスムーズに上がっていく。その様子を見て、口元が少し緩んだ。シャッターの下から店内の暗がりが広がる。床には細かな埃の跡が残っている。日光が斜めに差し込んで、金属面に反射する。まぶしくて目を細める。シャッターの下端が腰の高さに達したところで男は手を離した。中から冷房のない店の空気が流れ出してくる。生温かく、埃と紙の匂い。看板はまだ出ていない。内側に貼られた古いポスターが破れている。信号が変わった。歩き出そうとして、もう一度見る。男は奥へ消えていくところだった。足元に影が落ちる。アスファルトのひび割れに目が行く。歩き出した。

歩きながら、バッグのポケットに手を入れ鍵を触る。数日前この交差点で見かけた猫を思い出す。その猫はいなかった。信号機が歩行者用の点滅に変わる。渡り切ったところで振り返る。シャッターは完全に上がり、店内の蛍光灯がついている。男の姿はもう見えない。アスファルトのひび割れに沿って伸びる影。自分の影だ。額に汗がにじむ。手の甲で拭う。ふと、昔通っていた中学校の体育館のシャッターを思い出した。あれは手動ではなく電動だった。何の関係もない話だ。そのまま歩き続ける。

交差点のアスファルトに立つ陽炎の夏の正午

交差点のアスファルト、陽炎

信号が青に変わった。車が交差点を横切る。その先のアスファルトの表面で、空気がゆらゆらと立ち上がっている。陽炎だ。まぶしい。目を細めてしばらく見ていた。遠くの車の形がぼやけている。

道路のアスファルトはところどころひび割れている。ひび割れの縁は少し盛り上がっていて、色が濃い。日差しが真上から落ちているので、影はほとんどない。自分の足元の影だけが丸く縮んでいる。靴底から熱が伝わってくる。背中に汗をかいている。シャツが肌に張り付く。首の後ろが日焼けでひりひりする。

トラックが通りかかる。タイヤが路面を叩く音と、かすかな振動が足に伝わる。通り過ぎるときに排気の熱い風が一瞬顔をかすめた。熱い。また静かになる。アスファルトの切れ目に沿って細かい砂が溜まっている。その上に陽炎が揺れている。

道路を渡ろうかと思ったが、そのまま立ち止まっていた。コンクリートの縁石に手を触れる。熱い。手のひらに石のざらつきが残る。汗が首筋を流れている。目を拭った。指に汗がついた。その指をズボンで拭いた。

視線を戻すと、陽炎はまだ揺れていた。アスファルトの割れ目から生えた草の葉が茶色くなってしおれている。その隣に、もう一つ小さな芽が出ていた。どちらも動かない。そのまま立って、陽炎を見続けた。風がなく、動くものは陽炎だけだった。

頭の上で信号がかちかちと音を立てた。歩行者用の青が点滅し始めていた。点滅が終わると、また赤に変わった。車がまた通り始めた。陽炎は変わらず揺れている。

茶色い蝉の抜け殻が木の幹に張り付いている

蝉の抜け殻

正午の公園

正午の太陽が真上近くにある。木陰に入ると、汗が引くまで少し時間がかかる。幹の表面に、茶色い抜け殻が一つ張り付いていた。翅の先が少し欠けている。指でそっと触れると、乾いた感触が伝わる。中は空洞だ。足の先の部分が幹から剥がれかかっていた。引っ張るかどうか迷って、指を離した。

そのまましばらく立っている。耳に蝉の声が入ってくる。低い鳴き声と高い鳴き声が混ざっている。風がほとんどない。地面に目を落とすと、足元の草の葉が日差しで白っぽく光っている。枯れた葉が一枚、転がっていた。

また抜け殻に目を戻す。触ろうかと思ったが、もう触らない。手を引っ込めて、ポケットに突っ込んだ。靴の先で地面を軽く蹴った。砂埃が少し上がった。指先に乾いた感触が残っている。ズボンの腿に擦り付けた。首の後ろに汗がにじんでいる。手の甲で拭う。幹の陰になっている部分は、日向より少しひんやりする。抜け殻の脚の先は、細く曲がっていた。

もう一つ上の方に抜け殻がないか、目を細めて探す。見つからない。視線を下ろすと、根元の土の上に小さなアリが一匹歩いている。草の影と日向の境目を、行ったり来たりしている。目を閉じると、瞼の裏が赤く透ける。蝉の声が一段と大きく聞こえる。鼻の奥に、乾いた草の匂いがする。アスファルトの熱気が頬に当たる。目を開けると、すぐ近くの地面に、蝉の死骸が一匹落ちていた。仰向けで、足を縮めている。触る気にはならなかった。

自分の影を一瞬見る。ほとんど丸く、足元にしかない。時計は見なかった。また抜け殻を見る。背中の割れ目は、きれいな縦一文字だ。頭の部分の穴から、出てきた跡が分かる。

空いた電車の車内と窓からの朝の光

涼しい朝の通勤電車

昨夜は涼しくて、久しぶりに朝までぐっすり眠れた。目覚めた時、窓から入る風が少し冷たくて、夏だということを忘れそうだった。

駅に向かう道も、日陰はまだ涼しい。アスファルトの上を歩くと、草の匂いが混じった空気が顔を撫でる。ホームに着くと、電車がちょうど滑り込んできた。ドアが開くと、冷房の効いた空気が流れ出る。車内は空いていて、座席の半分以上が埋まっていない。窓際の席に腰掛けると、シートのひんやりとした感触が伝わってくる。布地は少し擦り切れているが、清掃は行き届いているようだ。冷房の風が首筋を冷やす。

窓の外では、線路沿いのマンションの影がゆっくりと後ろに流れていく。電車の揺れと、かすかなモーター音だけが聞こえる。誰もいない車両の奥まで、白い蛍光灯が並んでいる。ドアの上には次の駅の表示が出ている。車内放送がかすかに流れるが、はっきりとは聞き取れない。窓の外は晴れていて、遠くのビルが青空に浮かんでいるように見える。時々、カーブで車体が傾く。

新宿に近づくにつれ、徐々に乗客が増えてきた。それでもまだ席は余っている。今日は一週間の始まりだが、いつもよりゆっくりできそうだ。電車の速度が落ちる。次の駅のホームが見えてきた。ホームの端に立つ人のシルエットが徐々に大きくなる。何人かの乗客が立ち上がり、ドアの前に並び始めた。次の駅は新宿三丁目だとアナウンスが入る。私もそろそろ準備をしようと、リュックの口を閉めた。

朝顔の花言葉「愛情」真夏の朝の朝顔

朝顔の花言葉「愛情」—真夏の朝、蔓が絡むように咲く

七月も終わりに近づく朝、庭先の朝顔が次々と花を開いている。七時十五分を過ぎたばかりの光はまだ柔らかく、青い花びらに小さな露がきらめく。蔓は支柱にしっかりと絡み、幾重にも重なる葉の間から、涼しげな色がのぞく。風が吹くたび、葉が擦れ合うかすかな音が聞こえる。

朝顔はヒルガオ科の一年草で、原産地は熱帯アジア。日本には奈良時代に中国から渡来し、夏の風物詩として親しまれてきた。開花時期は七月から九月、早朝に咲き、昼にはしぼむ一日花だ。色は青や紫、赤、白と品種も豊富で、特に青い朝顔は夏の暑さを忘れさせる涼やかさがある。朝顔の種は硬い皮に覆われているため、一晩水に漬けてからまくのが一般的だ。

この花の花言葉は「愛情」と「絆」。つる性の植物が他のものに絡みながら成長することに由来する。朝顔は支柱を求めて蔓を伸ばし、しっかりと巻きついて離れない。その姿に、人と人との結びつきや、相手を思いやる心が重なるのだろう。また、一日でしぼむ短い命が、一瞬の輝きを大切にすることを教えているとも言われる。花言葉の「愛情」は、恋人同士の関係にも例えられることがある。

朝の水やりをしながら、つい足を止めて見入ってしまう。あと何度、この青い花を見られるだろうか。夏はまだ続くが、朝顔の季節は思ったより短い。毎朝の楽しみが、これほどささやかでありがたいものはない。

蔓はまだ伸び続けている。明日もまた、新しい花が咲く。蔓の先はまだ伸びようとしている。

夜のキッチン、グラスの水滴

夜のキッチン、グラスの水滴

夜のキッチンに立つ。蛍光灯の下、シンクの脇に置いたグラスに水滴がついている。さっきまで冷たい水を入れていたわけではない。洗ってからしばらく経ったのだろう。水滴はグラスの内側と外側、両方にびっしりと浮いている。

指で一本、縦に滑らせてみる。水滴が線になって流れ落ちた。跡を追うと、ガラスの表面に手の脂の跡が浮かび上がる。天気予報では湿度が九十五パーセントだった。その数字を思い出したからではない。指の腹にへばりつくような湿り気が、なぜかそのことを連れてくる。

グラスの縁を持ち上げて、水滴が光る角度を探す。蛍光灯の光が水滴の中で丸く縮んでいる。いくつかの水滴は大きくなって、重力で下に伸びている。もうすぐ落ちる。でもまだ落ちない。

シンクの中には食べ終わった皿が一枚だけ残っている。茶色いカレーの跡が固まっている。水に浸けておこうと思ったまま、忘れていた。その皿の底にも、水滴がついているのだろうか。確認しに行く気にはならない。

代わりに、グラスの底のほうに目をやる。一番大きな水滴が一筋、ゆっくりと下へ降りていく。途中で止まった。ガラスと水滴の境目がぎらっと光る。

換気扇は止めている。湿った空気が台所にじっとしている。自分もその中に立っている。

手に持ったグラスの温度が、自分の体温に近づいてきている。水滴の冷たさはもうない。

水滴の一つを指でつついてみる。すると別の水滴に吸い寄せられて、一瞬で形が変わった。その様子をしばらく見ていた。

そのままグラスを置いて、背を向ける。テーブルの上のリモコンが目に入る。押そうとしてやめた。

夜の浴室、換気扇の音

夜の浴室、換気扇の音

浴室の電気をつけた。蛍光灯が一瞬ちらついて、白い光が広がる。換気扇が回り始める音が聞こえる。低い唸りと、羽根が空気を切る細かい音が混ざっている。

タイルの壁は冷たく、指先で触ると表面に薄く水気が残っている。夕方に使ったあと、換気扇をつけっぱなしにしていた。それでも湿度が高いのか、鏡が少し曇っている。鏡の端のほうが特に白く霞んでいた。

排水口から、石鹸とぬるま湯が混ざった匂いが上がってくる。わずかに塩素の匂いも混じっている。換気扇の風が首のあたりを通る。風そのものは涼しいが、空気は重い。窓を開けると、外からもっと湿った夜の空気が入ってきた。道路を走る車の音が遠くで聞こえる。

洗面台の蛇口をひねると、一瞬管の中の水が音を立てて、透明な水が落ちた。水の流れる音が、換気扇の音と重なる。手を洗って、水滴が落ちるのを少し見ていた。

浴槽のふたを開けると、まだぬるい水が張ってあった。表面に湯気は立っていない。換気扇の音だけが続いている。そのままふたを閉めた。

夕方の歩道橋の上から見た交差点の景色

歩道橋の上から

歩道橋の上で立ち止まった。手すりに両手をついて、下の交差点を見下ろしている。信号が青に変わり、車が一斉に動き出す。エンジンの音と排気ガスの匂いが一緒に上がってくる。風がほとんどないので、匂いがその辺りに滞留している。向こう側の歩道では、学生が二人、自転車を押しながら話している。片方の自転車の前かごに、コンビニの白い袋が入っている。何を言っているかは聞こえない。

空はまだ明るくて、雲が一つだけ西の方に浮かんでいる。形はぼんやりとしている。ビルの影が道路に長く伸びていて、自分の立っている場所は日向だった。暑い。手すりの鉄が日差しを吸って温かい。指先で触ってみる。少しざらついていて、塗装が剥げた跡がある。何度か触っているうちに、指の腹が熱くなった。視線を外して、階段の方を見る。一段目に小さな枯れ葉が落ちていた。周りに落ち葉はなくて、それだけがぽつんとある。拾わないでそのままにした。

また交差点に目を戻す。今度は反対側から人が渡ってくる。白いシャツの男が傘を持っているが、開いていない。日差し避けなのか、ただの荷物なのか。男は早足で歩いていく。その後ろを、小さな犬を連れた女性が続く。犬は歩道橋の階段の匂いを嗅いでいる。立ち止まってリードを引っ張られた。風が弱く吹いて、汗ばんだ首筋に当たる。時計を見ると五時十分だった。もう少しここにいるつもりで、手すりから手を離さなかった。目線を上げると、電線に雀が二羽止まっている。何かを見ているようだった。

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