
朝の台所、ラップの端を探していた
朝ごはんのあと、残ったキャベツをラップで包もうとした。でも箱を開けても、端っこがどこにあるのか見つからない。いつもの癖で、箱の側面を指でなぞってみる。だめだ。
台所の引き出しを開けて、新しいラップの箱を探した。この引き出しにはいつも、使っていない輪ゴムとか、割り箸の予備とか、何に使うのか分からない小さな金具が入っている。奥のほうに、緑色の丸い容器があった。なんだったっけ、と手に取ると、空のメントールキャンディの箱だった。いつ買ったのか思い出せない。
引き出しを閉めて、またラップの箱に戻る。ところが今度は、箱の上に置いてあった計量カップが気になった。昨日の夜、味噌汁を作ったときに使ったはずだ。洗わずに置いてあったらしく、底に少し水が残っている。乾いて白い跡が輪になっていた。
ラップのことは忘れて、その計量カップを洗うことにした。蛇口をひねって、ぬるま湯で流す。白い跡は、指でこするとすっと消えた。水を切って、水切りかごの上に置く。そのとき、窓の外で蝉の声が聞こえた。朝だというのに、もう鳴いている。
結局ラップは見つからなかった。キャベツは、皿に乗せたまま冷蔵庫に入れることにした。ドアを閉めて、また開けて、皿の位置を直す。そのまま、小さな鉢のバジルの葉が乾いてないか触ってみた。








