
缶を置いた時の音、風呂上がりの台所
風呂から上がって台所へ入った。飲みかけの缶を流し台の脇へ置いたとき、底が当たる音が思ったより響いた。窓は少し開いていて、外から風が入っていた。
シンクの縁に手を当てて立っていた。髪から水が一滴落ちて首筋を伝った。缶の表面に水滴がいくつかついていて、置いた場所が濡れていた。指先でそれを拭いたが、完全には取れなかった。
晩御飯を食べていないことに気づいた。冷蔵庫を開けようとして、手が止まった。まあいいかと思った。体はまだ少し熱を持っていて、頬のあたりがぼうっとしていた。
窓の外から虫の声が聞こえた。今日は昼間より涼しい。扇風機を回さなくても寝られそうだと思った。缶を持ち上げて、もう一度置いた。さっきより音は小さかった。流し台の水栓が光っているのが見えた。








