
夜の玄関、傘立てに増えたビニール傘
今日は夕方から曇っていた。夜になって、コンビニに行くついでに傘を持って出たら、雨は降っていなかった。結局、傘をささずに帰ってきた。
玄関に入って傘立てに傘を戻すとき、見慣れないビニール傘が一本、斜めに立っているのに気がついた。透明の傘で、取っ手が白い。僕のは紺色の折りたたみだから、明らかに違う。
昨日は小雨が降った。濡れた傘を乾かそうと、皆ここに出しっぱなしにすることがある。でも、この傘は畳んだまま、水滴もついていない。誰かが置き忘れたにしては、きれいすぎる。
妻に「この傘、知ってる?」と聞いたら、「ああ、それ。昼にお客さんが来たとき、忘れていったみたい。連絡しようと思ってたのに、忘れてた」と言った。そこで、電話するのを僕が引き受けた。
相手の名前を聞いて、スマホを探した。リビングのテーブルの上にあるはずだった。テーブルの上には、昨日のレシートと、切手を貼っていない封筒が二通あった。封筒を見て、明日郵便局に行くのを思い出した。スマホは、ティッシュの箱の横にあった。
電話をかけたら、すぐに出た。忘れ物のことを伝えると、先方も気づいていなかったらしい。「明日取りに行きます」と言って、電話は終わった。
その後、風呂に入って、今、ここに書いている。傘はまだ傘立てに立っている。取っ手の白が、暗がりで少し浮いて見える。明日、誰かが取りに来るまでは、そのままでいいかと思っている。それだけの話だ。








