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思考と技術の記録。besoft Blog

開発・設計・運用・プロダクトづくりのなかで得た知見を、読みやすくまとめて共有します。

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朝顔の茎を持つ手元と透明な花瓶

朝顔の茎、朝の水替え

花:朝顔|花言葉:愛情の絆、はかない恋などと言われる

朝顔の茎を持ったまま、しばらく立っていた。花瓶の水が濁っている。三日前に挿したものだったか、四日前だったか。

茎を引き抜くと、水の中で曲がっていた部分がそのまま折れ癖のようになって出てきた。切り口は茶色く変色し、指で触れると少しぬるついた。流しに置いて、花瓶の水を捨てる。底に薄く沈殿物があった。

蛇口をひねって花瓶を洗う。内側を指でこすると、ぬめりが取れていく。水を一度満たしてから捨て、もう一度すすいだ。きれいになったかどうかは、光に透かしてみないと分からない。

新しい水を半分ほど入れて、茎の先を一センチほど切り落とした。断面から白い液が少し滲む。それを軽く水で流してから花瓶に戻した。茎は前より短くなって、花の位置が少し下がった。

窓際に置き直す。葉が一枚、縁から黄色くなりかけていた。

台所の窓辺に置かれた小さなラジオ、流しの横で音を響かせている

台所のラジオ、都会と海の名前

流しの脇に置いたラジオから、知らない人の声が聞こえていた。

朝の話題は服の色の話で、「都会」と「リゾート」という場所の名前が何度か並んで読み上げられた。聞き流していたが、「撥水」という単語のあとに「美カラー」という語が続いて、手が止まった。撥水と美しい色がどう結びつくのか、すぐにはわからなかった。

窓の外は曇っていて、空の境目がはっきりしない。昨日は降らなかったが、今日は午後に雨になると言っていた気がする。それも同じラジオだったかもしれない。

声は「ジレ」という単語を読み上げ、「肩まわり」と言った。肩まわりの何かを抑える、と続いていたが、その先を聞く前に視線が窓の外の樹の葉に移った。風がないのか、葉は動いていなかった。

ラジオはまだ同じ話題を続けている。都会でもリゾートでも、という言葉がもう一度聞こえた。二つの場所の名前が並ぶたびに、どちらにも行っていない自分の位置を考えかけて、

歩道脇のコンクリートの隙間に生えた緑色の苔、朝の湿った質感

歩道脇の苔、朝の湿り

歩道の端、コンクリートの継ぎ目に沿って苔が帯状に広がっていた。緑というより黄色に近い色で、一部だけ濃い緑が混じっている。しゃがんで指先で触れると、思ったより冷たく、表面が湿っていた。

押すと少しだけ沈む。離すと元に戻るが、指先に湿り気が残った。匂いはほとんどしない。隣の継ぎ目には雑草が一本だけ生えていて、葉の先が折れている。苔のほうに手を戻し、もう一度押してみた。

少し離れた場所に水たまりがあって、端のほうだけ乾きかけている。歩道の表面は全体的に湿っているが、場所によって濃淡がある。苔のある継ぎ目は周囲より一段低くなっていて、そこだけ水が残りやすいのかもしれない。

指先を拭わずにそのまま立ち上がった。手のひらに冷たさが残っていて、しばらくそのままにしていた。苔の帯は歩道に沿って五メートルほど続いていたが、途中で途切れている。風が一度だけ吹いて、雑草の葉が揺れた。

朝の横断歩道の白線と影が落ちている路面

横断歩道の白線、朝の影と足

横断歩道の白線を踏んで渡った。影が斜めに落ちていて、白い部分と黒い部分の境目が自分の足元で動く。信号待ちの間、白線の端が少し剥がれているのが見えた。アスファルトの黒い地面が覗いている。

渡り始めると、白線の幅が思ったより広い。靴底が白い塗装面を蹴るたび、わずかにざらついた感触があった。途中で一度立ち止まり、向こう側の歩道を見た。

朝の気温は22度ほど。湿度が高く、路面に湿り気が残っている気がした。白線の上を歩き続けるか、それとも黒いアスファルトの部分を選ぶか、特に決めずに足を運んでいた。

反対側に着く前に、もう一度白線の端を見た。塗装の厚みが薄く、下地が透けて見える箇所があった。それ以上観察せず、歩道に上がった。

朝の交差点で点滅する配送トラックのハザードランプ

配送トラックのハザード、朝の交差点で

信号待ちで立ち止まったら、目の前に配送トラックが止まっていた。ハザードランプが規則正しく点滅している。運転席は空。後ろの荷台ドアが半開きになっていた。

中からは誰も出てこない。あるいはもう誰かが出て行った後かもしれない。トラックのボディには配送会社のロゴが白く描かれている。窓ガラスに曇りがかかっていて、朝のひんやりした空気が残っているようだった。

歩道の端に段ボールが一つ置かれている。トラックから降ろしたのだろうか。でも配達先の家の前でもなさそうだ。横を通り過ぎようとした時、荷台の隙間から白い紙片が一枚、地面に落ちた。

拾うべきか迷ったが、そのまま足を進めた。振り返ると、まだハザードは点滅したままだった。猫が一匹、トラックの影のところでじっとしている。

朝顔の花のクローズアップ

朝顔の花言葉

朝、家の外に出ると、鉢植えの朝顔が三つ咲いていた。青紫色の花だ。蔓がフェンスに巻き付いている。葉はハート形で、水滴がついていた。昨日の夕方に小雨が降ったから、その名残かもしれない。

朝顔の観察

しゃがんで花を間近で見る。花びらの縁はほんのり白く、中心に向かって紫が濃くなる。朝日が斜めに当たり、花びらを透かして見せている。触るとひんやりと冷たく、表面はさらりとしていた。一つは完全に開ききっていて、他の二つは少し開きかけだ。蕾も一つある。明日には咲くのだろう。

朝顔は夏の花で、原産は熱帯アメリカと言われる。日本には奈良時代に薬として伝わったという説があるらしい。

花言葉

はかない恋

朝顔の花言葉でよく知られるのは「はかない恋」だ。朝に咲いて午後にはしぼむ、その短い命から来ていると言われる。確かに、今咲いている花も夕方には萎れているだろう。

愛情の絆

もう一つの花言葉「愛情の絆」は、蔓が絡み合う性質に由来すると言われる。一見正反対の意味だが、どちらも朝顔の生態に基づいている。

スマホで花言葉を調べていたが、時間を忘れていた。急いで駅に向かう。途中、別の家の垣根にピンク色の朝顔が咲いているのを見つけた。色が鮮やかで、思わず足を止めそうになる。しかし、そのまま歩き続けた。また明日も咲いているだろうか。

草の葉にとまるカタツムリ、朝露が光る

道端のカタツムリ

道端の草の葉に、カタツムリがいた。殻の色は薄茶色で、少しだけ動いた跡が葉の上に濡れた線になっている。葉脈が透けて見える。周りには他に何もいない。しばらく立って見ていた。カタツムリの触角が、ゆっくりと伸びては引っ込む。時間が経つのを忘れるような速さだ。

視線を外し、足元を見る。アスファルトの隙間から、小さな雑草が数本出ている。その葉にも朝露が乗っている。手を伸ばして触れてみる。指先が冷たく湿った。水滴を指でなぞる。跡が残る。朝の光が、葉の裏側から透けている。もう一度カタツムリに目を戻す。位置はほとんど変わっていない。殻の渦巻きが、はっきりと見える。葉の先の方へ目をやる。水滴がひとつ、落ちそうで落ちないまま揺れている。その水滴を見ているうちに、自分が息を止めていたことに気づく。まぶたの裏に、水滴の残像が浮かぶ。

遠くで鳥の声がした。高く澄んだ声ではない。短く、途切れ途切れに聞こえる。風がない。湿度が高く、肌に衣類が張りつく。背中に汗をかいている。口の中が渇いている。携帯電話を取り出しかけて、やめた。指先に残った水分を、ズボンで拭いた。そのままもう少し立っていた。自分の影が、アスファルトの上で短く伸びている。カタツムリが動いたかどうか、定かではない。横を通り過ぎる人はいない。静かだ。自分の靴の先が、アスファルトのひび割れにさしかかっている。それを最後に、歩き出した。

早朝の洗面台に置かれた歯ブラシと蛇口

早朝の洗面台、歯ブラシの柄

洗面台の縁に置いた歯ブラシの柄を持った。プラスチックの表面が濡れていて、指が滑る。蛇口からは水滴が一粒ずつ落ちる音だけが聞こえていた。

鏡に映る自分の顔の輪郭がぼんやりしている。窓から入る光がまだ弱いせいか、目の焦点が合わないせいか。陶器の洗面台に触れた手のひらに冷たさが伝わってきた。

歯ブラシを持ったまま、しばらくそこに立っていた。チューブから出した歯磨き粉の匂いが鼻先に届く。ミントの香りが強すぎる気がして、毛先をもう一度見た。白い泡が少しだけついている。

蛇口のハンドルに手を伸ばしかけたところで止めた。排水口の網に髪の毛が一本絡まっているのが見えて、そちらを見ていた。もう一度歯ブラシの柄を握り直したが、何も始めなかった。

夜明けの薄明かりの中、机の上に開かれた財布と散らばった小銭

夜明けの机、財布を開いたまま

机の上で財布を開いたまま、中を見ていた。小銭入れの部分を指で押し広げると、百円玉が三枚と十円玉が何枚か見えた。数えるまでもなく少ない。

札入れの方を覗いた。千円札が二枚。角が少し折れている。カードのポケットには交通系のカードとクレジットカードが一枚ずつ入っていて、その奥にレシートが二、三枚押し込まれていた。引っ張り出すと、コンビニのものだった。日付を見たが、いつ買ったのか思い出せなかった。

窓の外はまだ暗い。空気が冷たい。昨日は涼しかったから、よく眠れた。今日は打合せがある。そう思いながら、また小銭入れの方に視線を戻した。

最近散財が続いている。財布の中身も涼しい。そう思ったが、別に今確認する必要はなかった。財布を閉じずに、しばらくそのまま見ていた。

夜更けの東京の台所。ビールのグラスと湯気、窓の外の街灯。

夜更けの台所と静かな日常

帰宅の扉を開け、靴を脱ぐ。廊下の蛍光灯が灯り、冷えた風が肌を撫でる。リビングの机の上には開いたビール、グラスには薄い霜、窓の外の街灯が揺れている。静かな音が一つずつ増えていく。

少し歩くと天井の小さな照明が揺れ、涼風が部屋を抜ける。室温は少し高く湿気が肌にくっつく。ドアの隙間から夜の匂いが混ざり、遠くで誰かが電話している音がする。

瓶を取り出しグラスを冷やしてから注ぐ。冷たさが指の間を走り、泡が喉元で弾ける。口に運ぶと冷たさが喉を滑り、喉の奥に一瞬の涼風が広がる。

風呂場の扉を開けると湯気が白く伸びる。熱さと水の音が肩を伝い、鏡には薄く自分の輪郭が映る。蒸気の筋が消えかけ、静けさだけが残る。水の流れの音が遠くまで広がる。

晩御飯のことを思い出すが、今日は忘れてしまった。冷蔵庫の前で足を止め、野菜の色だけが目に残る。皿は洗われず、手はまだ動かない。眠りへと向く前、窓の外の風がカーテンを撫でる。

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