
薄暗がりのベランダで、アサガオのつぼみに水をやった
夕方の水やりをしようとベランダへ出たら、暗くなるのが少し早くなっていた。八月に入ってから、昼間の暑さはまだ残っているのに、七時を過ぎると風が涼しい。アサガオの鉢は、昼間の陽を浴びたコンクリートの壁に寄り添うように置いてある。葉っぱが少ししおれているから、今日一日、ずっとあの照り返しに耐えていたんだなと思う。
じょうろを傾けて、土の表面にゆっくり水を注ぐ。土は乾いていて、最初の水を弾くようにして吸い込んでいく。そのうちに、鉢の縁から透明な水が滲み出て、下の受け皿に溜まっていく。僕は水が溢れないように、じょうろの角度を少しずつ変えながら、根元にまんべんなくかかるように気をつけた。葉っぱにかかった水滴が、薄暗い中でも光っている。
ふと、つぼみの数を数え始めていた。明日の朝、咲くつぼみは固く閉じていて、てっぺんの紐がほんの少し緩んでいる。指で触ると、固いのに、中に水が詰まっているような張りがある。昨日の朝も同じように咲いていた。今日はまだ小さくて、青い色がほんの先っぽに見えている。このつぼみが明日開くかどうかは分からないけど、夜の間に膨らんで、朝には花びらを広げているんだろう。
水をやり終えて、じょうろを蛇口のそばに戻した。受け皿の水を捨てようとしたら、中に小さな枯れ葉が一枚浮かんでいた。昨晩の風で飛んできたのか、それともアサガオ自身が落としたのか。そこに手を入れて取るのも面倒で、そのまま流しっぱなしにした。アサガオは明日、また新しいつぼみを上に伸ばしていく。僕は水をやるだけで、それ以上は知らない。








