
真昼の川辺で、小石の温度を確かめる
昼過ぎの川辺に寄り道した。用事の途中、橋のたもとから階段を下りると、思ったより水の音が近かった。きのうの小雨で少し増水しているのだろう、よどみに枯れ枝が何本か引っかかっていた。
日差しが強くて、川原の石が白く光っている。靴を脱ぐまでもなく、手を伸ばせば届く場所に、掌サイズの平たい小石があった。拾い上げてみると、驚くほど熱い。乾いた表面はざらついていて、指先で押すとすぐに温度が伝わる。太陽が近いせいか、持っているうちに手のひらが汗ばんできた。
それをそのまま水の浅いところへ浸けてみた。水は思いのほか冷たく、石の熱が引いていくのが分かったような気がした。数秒で取り出して、今度はさっきより少しだけ冷たい石を握り直す。濡れた石は色が濃くなっていて、乾いた時と同じ石だとは思えなかった。
何度か水に入れたり出したりしているうちに、指先がくしゃくしゃになってきた。ふと足元を見ると、水際の砂に自分の影が落ちていた。時刻は正午を少し過ぎたところで、影はほとんど自分の足の下に縮こまっていた。そんなことは当たり前なのに、改めて見ると夏の日差しの角度を実感する。
小石は結局、乾いた場所に戻して置いた。あとで誰かが拾っても、それがさっきまで水に浸かっていたとは分からないだろう。それでいいのかもしれないと思いながら、階段を上がった。








