
バス停の時刻表を一段だけ見上げた
時刻表の下から二段目だけを見上げて、僕は首を止めた。17時15分のバス停は、昼の熱をまだ舗装に残していて、日陰に入っても靴の裏からぬるさが返ってくる。次の便を知りたくて立ったはずなのに、目は出発時刻の数字より、紙の右端にできた小さな折れ目を追っていた。
その折れ目は上向きに三角形になっていて、誰かが急いで貼り直した跡のようにも見えた。時刻表は透明な板の奥に収まっているから、触れることはできない。僕は意味もなく、板の左下にたまった細い砂を靴先で一度だけなぞった。
道路では車が一台通り、停留所の金属製の柱が短く鳴った。向かいの信号が青になったので、そちらを見ているうちに、さっきまで読めていた行が分からなくなった。上から数えるか、下から数えるかを決めていなかったせいで、同じ時刻を二度確認してしまう。
結局、次の便までの分数は覚えないまま、僕は一段だけ視線を下げた。そこには休日の運行について細い文字が並んでいたが、読む気になれず、時刻表を囲う黒い枠の角だけを見ていた。背後で自転車のベルが鳴り、僕は少し横へ寄って、まだ来ていない道路の方を向いた。








