薄明かりの緑陰で手を伸ばす

夕方の緑陰、薄い霧の中で草に手を伸ばす様子

足元の緑と触れる指先

薄く立ちこめる霧の気配が風に揺れて、葉の隙間から見る空の青さが少しだけ冷たい。触れた草の感触は硬くも柔らかくもなく、露の跡がひんやりと肌に伝わる。足にまとわりつく湿気は濡れているわけではないのに、靴の中まで浸みてくるような気配にかすかに体が反応する。

耳元をかすめる風の音

耳を澄ますと、遠くで葉擦れの音が散らばっている。近づいてきたり離れたり、一定しない風の囁きが、どこか焦点の合わないまま頭の中で回る。手を伸ばした先でわずかな波紋が広がる緑の葉は、夕方の光と影に溶けかかっていて、つかまえきれないまま手がさまよっている。

身体の中で揺れる何かに寄り添う

見えないところで鈍くうごめく感覚に気づかないふりをしようとしても、まばらな光と湿り気がじんわりとからだに染み込む。呼吸が少しだけ浅くなり、手の平が汗ばんでも、指先は草の構造の繊細さを伝え続ける。外の世界にある揺れを追うように、身じろぎして、本当はそこに捕まっていたいのだと知らずにつぶやく。