冷えた筐体に残る水滴
歩道の端、街灯の届く範囲に自販機が立つ。昼の熱がほどけきらないのか、金属の縁に小さな水滴がいくつも残っている。指先で触れると、ひんやりした粒がすっと広がり、すぐに薄くなる。
光が途切れる瞬間
硬貨を入れたわけでもないのに、表示部の冷たい明かりだけが一度瞬き、すぐ元に戻る。近くを通る足音が遠ざかり、舗道の反射だけが残る。こんな細い変化は、立ち止まらないと見落とす。
次の一滴を見つける
ふと同じ角度で確かめたくなる。立ち尽くす必要はないのに、手のひらの冷たさが数息続く。水滴は、何かが通り過ぎる合図みたいに見えた。どこかで同じように、触れられるものが待っているのか。
