川原の石を手のひらで転がす

初夏の川原に散らばる様々な大きさの石と、遠くに見える水面

川原に降りてしゃがみ込むと、石がそこらじゅうに転がっている。大きいのも小さいのも、丸いのも平たいのも。手のひらにちょうど収まりそうなものを一つ拾い上げた。

石の表面はなめらかで、少しひんやりしている。親指でなぞると、細かい筋が入っているのがわかる。水に削られて角が取れたのだろう。手の中で転がすと、意外に重い。

水音の向こうで

川の流れる音が絶えず聞こえている。ザァザァという大きな音の下に、チロチロという細い音も混じっている。風が吹くたびに、対岸の木々がざわめく。

もう一つ石を拾った。さっきのより少し小さくて、色が薄い。両手に一つずつ持って、軽く打ち合わせてみる。カチン、と乾いた音がした。もう一度。カチン。三度目は少し強く。高い音が川原に響いて、すぐに水音に紛れてしまった。

立ち上がって、少し上流の方へ歩く。足元の石がガラガラと音を立てる。歩きにくい。でも、この不安定さが妙に心地いい。バランスを取りながら進むことで、頭の中の何かが整理されていくような気がする。

石を並べてみる

平らな場所を見つけて、また腰を下ろした。ポケットに入れていた石を全部出す。五つある。大きさも色も形もばらばらだ。

一列に並べてみた。大きい順に。それから色の濃い順に並べ直した。今度は丸い順。どう並べても、それぞれに理由があるように見える。

一番小さな石を手に取って、川に向かって投げようとした。でも、腕を振り上げたところで止めた。代わりに、もう一度ポケットにしまう。

日が少し傾いてきた。川面がきらきらと光っている。あなたも、こんなふうに石を拾って並べたことがあるだろうか。理由もなく、ただ手が勝手に動いて。

立ち上がる前に、もう一度だけ石を打ち合わせた。カチン。今度の音は、さっきより少し低かった。