夜の洗濯室で見つけた髪の真実

夜の洗濯室で乾燥機が回る様子

乾燥機の前で立ち尽くす

夜の洗濯室は蛍光灯の白い光で満たされている。乾燥機が低い唸り声をあげながら回転し、中でタオルが舞っている。扉のガラス越しに、白い布地がくるくると姿を変えるのを見つめる。

手元のスマートフォンには、梅雨時の髪の広がり対策についての記事が開かれたままだ。くせ毛がひどくなる、広がる、うねる。書かれている言葉が、まるで自分の頭を指差しているようで、無意識に髪に手をやる。

湿った夜の空気が洗濯室にも忍び込んでいる。換気扇は回っているのに、どこか重たい空気が肌にまとわりつく。髪の毛先が、すでに少しうねり始めているのがわかる。

タオルを畳みながら

乾燥機が止まった。扉を開けると、熱を帯びた空気が顔を撫でる。温かいタオルを一枚ずつ取り出して、洗濯台の上に重ねていく。

記事には、やってはいけないことがいくつも書かれていた。濡れた髪をゴシゴシこする、ドライヤーの熱風を近づけすぎる。思い当たることばかりで、タオルを畳む手が止まる。

洗濯室の鏡に映る自分の髪を見る。確かに、朝よりも膨らんでいる。前髪が額から浮いて、おかしな方向を向いている。鏡の中の自分に向かって、小さくため息をつく。

畳み終えたタオルの山を抱えて、洗濯室を出ようとする。ドアノブに手をかけたところで、もう一度振り返る。洗濯機と乾燥機が並んで静かに佇んでいる。

廊下の湿度計

廊下に出ると、壁にかけた湿度計が80パーセントを指している。これでは髪が言うことを聞かないのも無理はない。

タオルを抱えたまま、しばらくその場に立っている。記事の続きを読もうか、それともこのまま部屋に戻ろうか。結局、スマートフォンを閉じて、タオルの重みを感じながら歩き出す。

髪は髪のままでいい。そう思いながらも、明日の朝のことを考えて、少しだけ肩が重くなる。