カウンターの向こうの、湯気
20:06の東京、コンビニの引き戸をくぐると、ホットスナックの湯気が細くほどけていくのが目に入る。温め直したみたいに立ち上がる白さは、呼吸を邪魔しない程度にそっと。紙袋の端を指で押さえると、熱がじわりと伝わって、あたたかいのに重くない。
金属音と、待つ間
レジ横でトレーが触れ合う短い音がして、視線は自然に動く。代金の受け渡し、袋を閉じる小さな折り目、そして湯気がまた一度だけ揺れる。私はそれを数えるように、歩き出す準備をする。
ほんの少しの温度
角を曲がる直前、湯気の輪郭が薄くなり、袋の中の熱だけが残る。あなたは、夜に買ったあたたかいものの湯気を、どこまで追いかけたくなりますか?
