自転車スタンドの輪郭
街灯の届く範囲だけ、路面が少しだけ明るい。自転車スタンドを立てたまま、ペダルの角度をそっと直す。金属の冷えが手袋越しに伝わり、固定されたはずの位置が、まだ微かに揺れている気がする。
鍵穴の回す手応え
鍵穴に合わせて回すたび、カチリという短い音が路地に残る。近くのシャッターは閉まったまま、排気の気配だけが途切れては戻る。ここに置いて帰るという所作が、ひと息分の余白になる。
次の一歩まで
スタンドの影が細く伸び、タイヤの側面が黒いまま輪郭だけ浮く。明日、同じ角度で見えるだろうか。小さな整え方、いつも通りにする余裕はあるだろうか。
