画面越しに届く新たな色

使い込まれた古いペンとスマートフォンの画面が並ぶデスク

手元に残る古い道具の感触

窓を叩く雨の音が、今朝も絶え間なく続いている。室内の湿度は高く、置かれた紙の端がわずかに波打っているのを目にした。画面の中では、また新しい次世代モデルが限定的な披露を迎えたという記事が流れてくる。フラッグシップを冠するその名が持つ響きと、目の前にある使い古された真鍮製の万年筆との間には、途方もない隔たりがあるように思える。

変わらないものと積み重なる変化

ペン先の金属は、数え切れないほどの文字を綴るうちに、角が取れて滑らかな質感に変わった。その表面には、指の油分と微細な傷が幾重にも重なり、持ち主の癖を完全に記憶している。画面上の無機質な光は、どれほど高度な知性を宿そうとも、この万年筆が紙を撫でた時に伝わってくる、インクが染み込むわずかな抵抗や、紙の繊維が擦れる音を代用することはできないだろう。時折、ペン先を拭う布の感触に集中する。軸の重み、重心の偏り、そして手の中で納まりの良いその形状。デジタルな潮流がどんなに速く変化しようとも、机の上に鎮座するこの道具は、何一つ変わることなく、ただそこにある重力に従って佇んでいる。窓の外を眺めれば、しとしとと降り続く雨が視界を白く染め上げている。新しい技術の名前を指でなぞるよりも、今はただ、このペンの冷たさと重みを肌に感じながら、過ぎゆく時間を見つめていたい。画面の光が消え、再び静寂が部屋を満たす。