水際の石たち
川辺に降りると、足元の石が朝の光を受けて濡れたまま光っている。水際から少し上の石は乾いていて、白っぽい粉を吹いたような色をしている。しゃがみこんで、手のひらサイズの石を拾い上げる。思ったより重い。表面はつるつるしていて、親指で撫でると水の跡がうっすらと残る。
石を持ったまま立ち上がると、川の流れる音が急に大きくなったような気がする。耳の位置が変わっただけなのに。もう一度しゃがんで、今度は平たい石を探す。水際ぎりぎりのところに、手のひらにぴったり収まりそうなのがある。指を伸ばして取ろうとすると、袖口が水に触れそうになって、肘を曲げたまま身体をひねる。
石の重さと温度
拾い上げた石は、さっきのより冷たい。水から上げたばかりだからか、手のひらにじんわりと冷たさが移ってくる。石を左手に持ち替えて、右手をズボンで拭う。川音に混じって、どこかで鳥が鳴いている。あまり聞かない声だ。
平たい石を水面に向かって投げようとして、やめる。代わりに足元に置いて、また別の石を探す。今度は黒っぽくて、表面に白い筋が入ったものを見つける。筋をなぞると、石の表面がざらざらしている部分とつるつるしている部分があることに気づく。
朝の光と川音
気がつくと、ポケットに石が三つ入っている。重さで少しズボンが下がる。最後にもう一つ、川の中に半分沈んでいる大きめの石に目をつける。靴を脱ごうかと思ったが、そのまま靴で水に入る。冷たさが靴下まで染みてくる。
石を持ち上げようとすると、思っていたよりずっと重くて、両手を使う。水から上げると、裏側に小さな虫がへばりついていて、慌てて水に戻す。虫はゆっくりと石から離れて、流れに消えていく。靴の中で足の指を動かすと、水がじゅくじゅくと音を立てる。川辺から上がって、草の上に座る。靴を脱いで横に置き、ポケットから石を一つずつ出して膝の上に並べる。
