霧雨の窓辺と静かな時間の始まり
まだ薄暗く、霧雨がゆっくりカーテン越しに見える朝。窓の外では細かな雨粒が舞い、なにか心の中までじんわりとしっとりさせるようだ。そんな朝にいつもより少し早く目が覚めて、部屋の隅に置いたコーヒーを準備し、香りが部屋にふわりと広がる。霧雨が窓ガラスに落ちる音と、湯気の上がるカップのゆらぎが重なる。
湿気と羽織るものの間で揺れる心
この季節特有の、どこか肌寒いような温かいような感触が身体に触れてくる。薄手の布を手に取ってみるが、それがちょうどいいものかどうかすこし逡巡する。外の霧雨は気まぐれに強まったり弱まったりをくり返し、それをぼんやりと眺めているうちに、体の中のわずかな揺れが重なっていく。
散らかった机の隅と小さな揺らぎ
机の上には昨日のままのメモ用紙やペン、スマートフォンが無造作に置かれている。湿った空気がそれらにまとわりつき、少しだけ紙の感触が変わるのを指先が捉える。何かを考えようとしたが、霧雨の音の合間を縫ってうるうるした視線が遠くの薄ぼんやりとした庭木に絡みつく。下ろしかけた肩の布がまたほんの少し揺れて、今日という始まりの輪郭がぼんやりと現れる。霧雨の朝にただ座り続け、その静かな不確かさを抱きしめているような気配が部屋に満ちる。
