街灯に向かう羽音
歩道の街灯が作る明るい円の中で、小さな虫が忙しなく飛び回っている。羽音は聞こえないほど微かだが、光の周りを描く軌跡ははっきりと見える。
時折、虫は光源に近づきすぎて、慌てたように方向を変える。それでもまた同じ円を描いて戻ってくる。この繰り返しを何度も続けている。
コンクリートの上の影
足元のコンクリートには、街灯の光で虫の影が小さく踊っている。影は実物よりも大きく映り、まるで別の生き物のように見える。
立ち止まって観察していると、虫たちにも個性があることに気づく。素早く直線的に飛ぶもの、ゆっくりと螺旋を描くもの。同じ光を目指していても、それぞれの飛び方がある。
夜の静けさの中で、こんな小さな営みが続いていることを知ると、都市の見え方が少し変わるような気がしてくる。
