自販機の明かりが肌に温かい。缶を手に取った時、その底の小さな凹みに街の明かりが映り込んでいた。
金属面の歪み
缶の底は完全な平面ではない。製造の際についたわずかな窪みや膨らみが、街灯の光を不思議な形に変えている。オレンジ色の光が波打ち、白い蛍光灯が細く伸びる。
手の中の小さな世界
親指で缶を回すと、映り込む光景がゆっくりと動く。向こうのコンビニの看板、歩道橋の照明、信号機の青い点滅。すべてが手のひらサイズの金属面に収まっている。この小さな鏡は、いつもの夜道を違う角度で見せてくれる。
缶を開ける前のこの瞬間、街全体を手の中に収めているような気持ちになる。
