石垣の隙間に指を差し入れる夕方

夕方の薄暗い光の中に浮かぶ古い石垣、その隙間に差し込む指先

家の近くの路地を歩いていると、古い石垣が目に留まった。表面がざらりとした石がいくつも積み重なって、小さな隙間が点在している。

隙間の冷たさ

なぜか指を差し入れたくなって、そっと人差し指を隙間に滑り込ませる。石の内側は外気よりもひんやりとしていて、指先に伝わる冷たさが心地よい。思っていたよりも奥行きがあるようで、第二関節まで入っていく。

あなたも子どもの頃、こんな風に隙間や穴を見つけると触れてみたくなったことはないだろうか。

触れる記憶

指を抜くと、石の粉のような細かいざらつきが指先に残っている。この感触が妙に懐かしくて、もう一度別の隙間に指を入れてみる。今度は少し湿り気を感じた。石垣の向こう側に何があるのか気になるけれど、それは指先だけが知っている秘密のままでいい。