手のひらに残る一日
公園の鉄棒に手を置くと、思いがけない温かさが伝わってきた。金属特有の冷たさを想像していたのに、昼間の陽射しがまだそこに残っているようだった。
指先で表面をなぞると、わずかにざらついた質感の中に、子どもたちが握った痕跡のようなものを感じる。あなたも子どもの頃、こんな風に鉄棒の感触を確かめたことがあるだろうか。
薄れゆく温もり
両手で握り直すと、左右で微妙に温度が違うことに気づく。片方は日陰になる時間が長かったのだろう。そんな些細な違いも、手のひらは正直に教えてくれる。
やがて体温と鉄棒の温度が同じになったころ、そっと手を離した。空になった手のひらに、ほんの少しだけ金属の匂いが残っていた。
