駅に佇む土下座銅像
三条京阪駅のホームの隅に、静かに座り込んだ像が見える。数日前にSNSでその存在は知っていたものの、今日初めて目の前にすると、妙に落ち着かず視線がその姿に引き寄せられる。土下座をしている人形というのはなかなか見ない。鉄骨とガラスの構造と古びたコンクリートの隙間に、なぜかごく普通にそこにいる。
知らなかった名前に気づく
ネット上で「土下座像の名前」なる検索ワードが流れていたのは、こういう不思議な像が長く馴染みながらも名前は知られていなかったことへの驚きだったのだろうか。入り組んだ構内の明かりのせいで、手のひらのひらひらと落ちる影が錯綜する。銅像の名を知らなかったことが、ふいに自分の記憶の浅さと重なって胸の奥に焦りを少し走らせる。
午後の静かな観察
周囲を歩く人は誰もその像を特別に気にしていないようだ。ホームのベンチに腰かけ、手元の荷物を何度か調整しながら、目を細めてもう一度見る。銅像の姿勢や表情の細かな作り込みに目を凝らすと、何か訴えかけてくるような気もする。湿度がやや高く、微かな風が線路の方から流れてきて服を揺らすだけの静寂は、喧騒とは無縁の場所にいることを実感させる。思いがけず見たことのなかった一面に気づいた午後のひとコマである。
