春の深まりを告げる夜気
ベランダの扉を少し開けると、4月下旬特有の柔らかく湿った空気が流れ込んできます。日中の暖かさがわずかに残り、春の終わりと初夏の足音を同時に感じさせるような、ふくよかな温度です。外灯に照らされたアスファルトや、路地裏に咲く小さな草花も、今はひっそりと息をひそめています。
色の記憶を留める
ふと、昼間に見かけたハナミズキの白さや、風に舞う花びらの情景を思い出し、机上のスケッチブックを広げました。淡いピンクや薄緑のパステルを手に取り、記憶の中のパステルの色彩をそっと紙へ置いていきます。はっきりとした形は描かず、ただ色の重なりだけを残す作業。柔らかな空気の中で色と遊ぶ時間は、心をほどよく解きほぐしてくれるようです。
