植え込み越しの静けさと息遣い

静かな曇り朝、街路の植え込みと濡れた歩道、ガラス戸越しの葉

曇り空と湿気の朝

薄い光が室内に滲み込む。布団の重さが腕に残ったまま、窓を開けて息を吸うと、ぼやけた空気が皮膚と鼻裏にまとわりつく。植え込みの向こうに見える道路は、まだ人の顔を覚えていない。昨日の霧雨の水滴が、葉の裏にわずかに残っている。

濡れた歩道に置く足

玄関で靴ひもの感触を確かめる。歩道はうっすらと湿ったタイル。踏み出すたびに、足裏にしっとりとした冷たさが伝わる。低い位置で風が揺れる。植え込みの葉のふくらみと、朝の空気が交わる。

ガラス越しの世界

閉じた店先のガラス戸を手のひらでなぞる。冷えた面と曇り空が掌に重なる。ガラス越しに映る自分と葉の揺れ。何かを確かめたくて、身体がしばらくその場から離れられずにいる。

止まったままの時間

植え込みに指を添えて、葉の縁をたどる。水気のある感触と、湿った冷気。通り過ぎる自転車の音が背後で吸い込まれていく。身体の奥に空白を抱えたまま、わずかな揺れと匂いを拾い集めている。