紫陽花の「移り気」と曖昧な朝に

朝の曇り空の下、庭先に咲く紫陽花とその葉に残る水滴

曇り空と朝の空気

厚い雲の向こうからやわらかく光が差し、窓の外には紫陽花がしっとりと咲いている。開け放した窓から湿った空気が流れ込む。紫陽花の房に並ぶ花びらは青から紫、ところどころ淡いピンクが混じる。昨日までの雨粒がまだ葉の上に転がっていて、指先で触れると少し冷たい。

紫陽花の姿と性質

紫陽花はこの初夏、梅雨どきに最も美しく咲く。小さな花が寄り集まってひとつの塊になり、見る角度によって色合いを変える。土の性質が花色を左右し、同じ株でも気温や時間、光によって微妙な違いが生まれる。

「移り気」という花言葉

紫陽花の花言葉は「移り気」。定まらない色の変化が、その由来だという。この花の前では、すっきりした答えを出さなくていい気がする。曇りの日の朝に窓辺へ立つと、何でもきっぱり白黒をつけなくていい、そんな気持ちにそっと寄り添ってくれる。

曖昧さを許す余白

急がずに、曖昧なままの朝も静かに迎える。紫陽花のそばで立ち止まり、息を静かに吐き出す。気持ちに輪郭がつかめないときも、その余白も自分の一部として手のひらで受け入れておく。初夏の曇り空を映した花が、今日の始まりを淡く祝ってくれている。