ぼんやりと点いた小さな灯り
帰り着いた部屋の片隅で、一本の間接照明がぼんやりとその輪郭を描く。窓は少しだけ開いていて、梅雨の湿った空気が入り込み、カーテンの裾を静かに揺らしている。指先を窓辺に近づけると、ひんやりとした空気の湿度を感じる。
離れた場所の音と静けさの混ざり合い
外では弱い霧雨がまだ止まず、窓の向こうでほのかに滴の音が聞こえる。室内の時計が刻んだ秒針の音。それらが折り重なり、まるで呼吸のように感じられて、視線は天井の木目をゆっくりと追う。身体の影が床に揺れ、時折、息を吐き出す自分の音が耳元で響いた。
揺れ続ける思考の脇で
ふと視線をあげれば、テーブルの上に散らばった紙切れや、未だ乾ききらないコップの水滴が気になる。どれも、夕暮れの中で異質な静けさに浸されている。本を手に取る動作が鈍り、指先が震えるのを無理やり押さえながら、言葉にならないものに心の隙間をさらわれる。風が更に入口から深く入り込み、夜への入り口を告げるのに重なるように、その日の思考はゆるやかに滲んでいく。
