壁のスイッチを探る指先
部屋のドアを閉じるとき、内側から押す小さな音に身体が反応する。すぐそばの壁に手を持っていき、少し頼りなげに光のスイッチを探した。ぎこちなく触れた指のひらが、ほんのわずかにひんやりした感触を受け止めたまま、力を込めてカチリとひと押し。
寝室の静かな景色
灯りは少しだけぼんやりと部屋の端まで届き、畳の織り目や古びた布団の皺を浮かび上がらせる。窓際の隅に置かれた小さな木の棚には、積み上げられた本の端が揺れて見える。ガラスのコップの輪郭がささやかに光を反射し、時折風に揺れるカーテンの影を映し出した。
動作に滲む疲れのかけら
灯りをつけた後、ゆっくりと手が壁から離れていくと、その重さが身体に残るように感じられた。まるで、そこに何か言えぬ不安か疲労がくっついてきたかのように。無言で布団の端を掴みながら、深く息を吐いた。そのまま怠さに抗いながら横になるなかで、灯りの柔らかな輪郭が潜り込む静かな闇に溶けていく。
