ハードカバーの背表紙を撫でながら

夕方の窓辺に置かれたハードカバーのノートと開かれた白いページ

夕方の光が横から差し込む部屋で、テーブルの上に置いたハードカバー本ノートを見つめている。無印良品で見つけたこのノートは、本物の書籍のような佇まいをしていて、手に取るたびに妙な緊張感が走る。

表紙の固い質感を指先で確かめながら、ゆっくりとページを開く。真っ白な紙面が、西日を受けてほんのり黄色みを帯びている。帯を自分で書けるという遊び心のある仕掛けに、少し口元が緩んだ。

白紙の重み

ノートの重さが、普通のノートよりもずっしりと手のひらに伝わってくる。この重みは、まるで本当の本を手にしているような錯覚を生む。背表紙の丸みを親指で撫でながら、何を書き始めようかと考える。

窓の外では、日が傾き始めた空の下で、誰かが自転車を押して歩いている。その影が長く伸びて、アスファルトに黒い線を引いている。視線を戻すと、ノートの白いページがまだそこにある。

書き出せない言葉たち

ペンを手に取っては置き、また取っては置く。この繰り返しがもう何度目になるだろう。ハードカバーの角を指でなぞりながら、最初の一文字を書くことの重さを感じている。

普通のノートなら、さらさらと書き始められるのに。この本のような体裁が、妙に身構えさせる。でも、それがまた心地よい緊張感でもある。夕方の静けさの中で、ペンの先がかすかに震えているのが見える。

結局、今日は何も書かずに閉じることにした。表紙を両手で包むように持って、もう一度その重みを確かめる。明日には、きっと最初の一文字が書けるだろう。そんな予感を抱きながら、ハードカバーの背を本棚にそっと立てかけた。