箱の中身を確かめる夜の手仕事

夜の机の上で開かれた古いゲームソフトの箱と手元の光

机の上の小さな包み

夜の机に、昼間に買ってきた中古のゲームソフトが置いてある。ビニールの包装はまだ破っていない。電気スタンドの光が、古びたプラスチックケースの表面を照らしている。

ビニールを破る音が、静かな部屋に響く。親指の腹でゆっくりと端を押し上げると、わずかに黄ばんだケースが顔を出した。19年という時間が、プラスチックの色を少しだけ変えている。

箱を開ける前に、一度手を止める。重さを確かめるように、手のひらの上で軽く揺すってみる。中で何かがカタカタと音を立てた。

開ける前の一瞬

ケースの留め具に指をかける。古いプラスチックは、新品のときとは違う感触がある。少し渋くなった蝶番が、ゆっくりと開いていく。

中を見る前に、なぜか目を細めてしまう。子どもの頃、プレゼントの箱を開けるときと同じような、あの感覚がよみがえる。期待と、少しの不安と。

ケースの中には、ゲームカートリッジが収まっていた。でも、それだけじゃない。薄い紙が一枚、折りたたまれて入っている。

予期せぬ付録

紙を広げると、手書きの攻略メモだった。鉛筆の文字が、几帳面に並んでいる。誰かが大切に使っていたものだということが、その文字の丁寧さから伝わってくる。

メモを机の上に置いて、もう一度じっくりと眺める。隠しアイテムの場所、ボスの倒し方、レベル上げの効率的な方法。誰かの時間と情熱が、この紙の上に残されている。

椅子の背にもたれて、天井を見上げる。1320円で買った箱の中に、こんなものが入っているなんて。古いものを開ける楽しみは、こういう瞬間にあるのかもしれない。

窓の外では、夜の街の灯りがぼんやりと光っている。机の上の攻略メモは、まだ広げたままだ。