街角の灯りがものを語る
夜に近づく夕暮れ、街路灯がぼんやりと匂い立つように光り始めた。湿った空気に紛れて、その灯りが濃淡を落としながら路面に触れ、散らばる影をつくり出している。わずかな風が動かした看板の端が、揺れ動く影のひとつに小さく加わる。
足元のささやかな生命
路面の隅、コンクリートの割れ目をじっと見つめる。そこから一枚、二枚と小さな葉が伸びているのに気づく。雑踏のなかでは逃げられない程の視線だが、ここでは静かに呼吸をしているかのようで、指先で触れれば冷たさが伝わりそうだ。
視線の先に潜む時間
並ぶ車のリアライトが瞬き、近くの自動販売機の光が微かに揺れた。通りかかった人影は足早で、でもその背中がどこか遠くへと連れていくように見える。時計はないけれど、濡れたアスファルトの匂いや音までもが過ぎた時間を記憶しているようで、立ち止まりながらも手のひらに吸い込まれていく。
