昼下がりの交差点で立ち止まる瞬間

東京の昼下がりの交差点で信号待ちをする人々と通りの風景

信号の赤に揺られて

交差点で信号が赤に変わると、歩みがぴたりと止まった。足もとに散らばる細かなゴミや、舗道のひび割れに視線が落ちる。ざわつく街のざわめきは遠く、すぐそばの鳩が羽ばたく。濡れたアスファルトは午後のおぼろげな光を薄く映し、ひんやりした空気の中に靴底が吸い付くようだ。

正面のビルガラスで映る影

ふと見上げると、向かいのビルのガラス窓に自分の影がゆらりと映る。身体の輪郭が街の機械的な線と混ざり合い、どこか馴染まない違和感をはらんでいた。隣を行き交う人の手元には紙袋、小さく重なる足音の合間に時折車のクラクションが軽く響く。

立ち止まることの意味

信号が変わりそうだと気づいても、すぐに動き出す気持ちはわずかに揺らいだまま。身体は動こうとするけれど、目線はふと道端の小さな花壇に落ちる。小さな色づきが、強張ったままの視線を少しだけ緩ませた。歩き出す前の短い静寂の中に、気づけば自分の心の小さな波紋が広がっていた。