寝室の隅にあるもの
ゆらゆらと揺れるカーテンの影が壁に伸びている。小さな照明の光は控えめで、天井から遠い位置のものだから、部屋の中央から見ると影が長く伸びる。ベッドの縁に置かれた古びた本の背表紙は擦れ、ページは何度も開かれたようにしなる。ガラスのコップが小さな水滴をみにじませていて、さらりとした冷たさが指先に届く想像を誘う。
動作の断片
身体が椅子の背もたれに触れる際のざらついた感触を感じた。手が布団の端を掴み、そっと引き寄せる。掛け布団は夜の空気を抱え込んだかのように重く、手首にわずかな圧迫感を与える。畳まれた洋服が小さな山になっている。そっと触れれば羊の毛のぬくもりを思わせる柔らかさ。
夜の重なり
窓辺の小物は無造作に置かれたまま、明日のわずかな予定もそこにある気配を残している。くぐもった時計の秒針の音が遠くから届き、身体の動きに合わせて微かに響いてほっとするような、止まっていられない夜の静けさが広がる。夜の眠りに入る前、細かいものに視線が吸い寄せられた。
