夜の池のほとり

夜の池のほとりの暗い水面と街灯の反射

水の音

池のほとりに腰を下ろす。昼間の賑わいはもうどこにもない。あたりは暗く、水面がかすかに揺れている。遠くの街灯の明かりが映って、細かく震えているのだ。

耳を澄ますと、水の音が聞こえる。魚が跳ねたのか、時折小さな波紋が広がる音。それだけだ。自分の呼吸も、鳥や虫の声も、ほとんどない。空気はひんやりとして、湿った草の匂いが混じる。

暗がりの動き

目を凝らすと、水面の向こうに何かが動いた気がした。カエルかもしれない。あるいは落ち葉が風に流されただけ。確かめようとは思わない。このまま、ここにいる。

足元の草を指でなぞる。先端が冷たい。昼間の暑さが嘘のように、夜の空気は静かに体を包む。曇っているせいか、星は見えない。それでも空は完全な闇ではなく、うっすらと明るい。街の明かりが空を照らしているのだ。

しばらくそうしていると、遠くで車の通る音がかすかに聞こえた。日常がすぐそこにあることを思い出させる。しかし、ここは別の場所だ。時間の流れが違うように感じる。

立ち上がって帰ろうと思いながら、また腰を下ろす。もう少しだけ、この夜の池のそばにいたい。