信号待ちの空

曇りの夕方、信号待ちの交差点から見上げた空。低い雲と街灯のシルエット。

信号の前で

横断歩道の手前で足を止めた。信号はまだ赤のまま、時計の針を気にするでもなく、何となくその場に立っている。靴の先に、アスファルトのひび割れが伸びている。昨日の雨はもう乾いて、路面は薄く曇ったように白っぽい。風はほとんどなく、湿度が肌にまとわりつく。

雲の切れ間

<pふと顔を上げると、空一面が同じような灰色の雲に覆われている。ところどころにわずかな切れ間があって、そこだけがほんの少し明るい。その明るさは夕方の光で、橙色というよりは、白っぽい黄に近い。切れ間の形は、ゆっくりと変わる。数秒見ていると、雲の端がぼやけて、光の帯が細くなる。それを見ているうちに、信号が変わったのかどうか、わからなくなった。

立ち尽くす理由

横断歩道の向こう側から、自転車のベルが短く鳴った。はっとして前を向く。信号は青になっていた。一歩踏み出しかけて、また止まる。別に急ぐ用事はない。もう一度だけ空を見上げる。雲はさっきよりやや厚くなった気がする。足を踏み出しながら、ポケットに手を入れた。ひやりとした指先の感触が、ようやく現実に戻してくれた。