団地脇の小道で、ライトを数える

東京の団地脇の小道で、街灯の光と曇った夜空の下を歩く雰囲気

歩道の端

20:55の夜、団地脇の小道を歩いた。足元のアスファルトは冷たくて、靴裏が小さくこすれる音が続く。街路樹の葉は細かく揺れ、裏側が光を受けるたび色が薄く見えた。曇り空のせいか、街灯の明るさが一定で、遠い壁の角まで輪郭がのびる。

金属の温度

曲がり角で、自販機の側へ寄る。硬貨の入る口は触らないまま、筐体の冷たい金属感だけ指先で確かめた。コインカバーの縁は少しだけ丸く、掌に当てると冷えが伝わる。近くの植え込みには、葉の表面に薄い光が残っていた。

帰りの手順

財布と鍵を入れ替え、ポケットの位置を直す。息は熱くならないのに、手袋のない指先だけが遅れて温度を思い出す。家までの道で、街灯の光が切り替わるたびに足取りも変わる。明日も、こうして毎回同じ手順で歩けるのだろうか?

作り直さないために、私は玄関の鍵を最後まで回し切って止まった。