急ぐ引っ越しと賃貸住宅の選択
曇り空の昼下がりに、手にした資料を何度もめくっては視線を上げ、遠くの街並みをぼんやりと見つめる。引っ越しを急ぐ身であるため、知人の「URはすぐ入れるが都営住宅は待つこともある」という言葉が頭から離れない。確かに、住み替え先としての選択肢を考えれば、入居までの期間は重要だ。だが、その情報が逆に迷いを生むようだ。
選択の狭間で感じる停滞感
資料の隅に、小さなメモを走り書きする指先がわずかに震え、心持ち焦燥が混じる。でも、その場を離れられず、しばらくは窓の外のわずかな風に揺れる葉を見つめていた。選択の決断が迫るなかで、即座に決められない自分を感じる。賃貸の入居条件や契約の細かな違いが頭の中で何度も反芻され、心の重さは軽くならない。
住まいのこれからを考える時間
25度近い外気が少し肌に触れて、そろそろ動かなくてはと足元に意識を戻す。夕方でもない午前でもない、昼の静かな中に棲む時間がこんなにも濃密に感じられるとは。結局、選択した住宅がどちらであれこの迷いのなかにいる今こそ、住まいがただの居場所でないことを改めて思い知らされるのだった。
