遠く離れた3拠点をつなぐ技術の現場
雨はないが曇り空の昼下がり、幕張メッセの展示会場にいる。画面に映るのは、静岡、神奈川、千葉と離れた場所から繋がるVTuberのライブ映像だ。リモート制作中の声が少し漏れるたびに自分の居場所の静けさを思い出す。230キロも離れているのに、演者は目の前にいるように見えた。それが妙に遠さを感じさせて、視線が手元のカップに戻る。
最先端の技術と身体感覚のズレ
機器の冷たい金属面を撫でると、確実にここは現実だ。だが画面の中では、別々の世界が音と映像で結ばれている。午後の湿度が体を包み、重さを感じさせる中、遠隔地の声や動きがリアルタイムで反応している矛盾に目が離せなかった。完璧な繋がりのはずが、どこかに線が引かれているようにも見えて、視線が幾度も映像と現実の間を揺れていく。
それでも続く繰り返しのライブの音
遠くのライブ音が小さく響き、会場には淡い静けさが戻っていく。かすかな機械音と混じり、幾つもの距離感が混ざり合っている。まるで離れているからこその繋がりの強さが一瞬だけ見えたような気がして、もう一度画面へ目をやる。その境界は曖昧で、しかし確かに存在しているのだろうと、手のひらで湯気の立つカップを包みながら思った。
