雨の合間に見つけた静けさ
雨になりかけた街を見下ろす窓辺に座っている。外は少し肌寒く、湿度が部屋に染み込んでいるのがわかる。雨の気配はあるのにいまは降っていない。そんな空気が重たく、大きな時計の針がゆっくりと進むのをぼんやり眺めていた。
手のひらに収まる未来
先日、パナソニックのPC組み立てイベントのニュースを目にした。親子でモバイルノートを組み立てる場面を想像すると、無言の真剣さや手作業の音が聞こえてきそうで、自分の手元も動かしてみたくなる。その日から、引き出しの奥から少し古いパーツを取り出し、そっと机に並べてみた。指先で触れる冷たい金属とプラスチックが、何か無言の約束を交わすようだった。
実際に組み立てはしていない。ただ、パーツを並べて手のひらでころころと転がすだけで、動くものがひとつの形になる寺を頭がかすめてゆく。細いネジの重みや、ちいさな溝の彫りを繰り返し見つめた。
重ねていく時間の濃さ
窓の外を見れば、木々の葉先がさわさわと音もなく揺れている。梅雨の曇り空の光が、静かに部屋の天井と壁をぼんやり照らしている。この見慣れた景色が、パソコンの無機質なパーツとともに、していることの意味をそっと押し広げる。休日の午後に静かに溶け込むこの空気が、知らず知らずのうちに自分に寄り添うようだ。
誰かと同じ時間を共有しなくても、機械の声を聞こうとしなくても、手元にある小さな部品が呼んでいるような気がして、ただそれだけで少しだけ生きている実感が持てた。
