曇り空の窓辺で
読みかけの本を置いて、窓の外をぼんやり眺める。雲に覆われた夏の日のお昼すぎ、特有の湿り気を帯びた空気がそっと入ってくる。数日前までの雨の名残を濃く残しつつも、今日はもう雨の気配はない。しばらく何かを探すように視線が散らかるが、見つかるのは葉の揺れと遠くのビルの輪郭だけだった。
午後の静けさの中で
外がやや静かになるにつれ、室内のわずかな音が際立つ。ページをめくる音、カップの縁に指が触れる音、それらが混ざり合って、時間の流れを感じさせる。深く吸った空気が胸を満たし、息の感覚が身体に普段のしわ寄せを運んでくる。繊細な感覚でしか捉えられないけれど、そうやって日常が静かに続いていく。
伏せた目と小さな休息
何度か目を閉じて短く伏せる。まぶたの裏に淡い映像が漂って、心のざわめきがようやくすれ違う気配を見せる。目を開ければ、また本の文字が並んでいるだけだ。けれど、その行間にわずかな休息ができているのがわかるのは、たぶん自分だけの贅沢だろう。
