窓辺の赤星と息を潜める空気
曇りがちの肌寒い朝に、キッチンの窓辺でひとつの瓶が目に入る。サッポロラガービール、赤星と呼ばれるそれに貼られたラベルの赤い星がぼやけて揺れていた。テレビでは流れた記憶がないのに、なぜだかその存在感は強く、10年で3倍以上もの量が静かに支持されているらしい。
やわらかな湿気と冷たさ
窓の外は濡れたアスファルトではないが、湿度が高い昼前の空気の重みを感じる。微かに開けた窓から入ってくる風は僅かに揺れて、室内のひとけのない静けさをかき乱すことなく通り抜ける。その空気の揺らぎが、手にしたビールの冷たさとともに、声にならぬ呼吸のリズムを刻むようだ。
ひとりの連続と断絶
何気なく目が合ったのは、この瓶の向こう側に広がる静かな朝の連続かもしれない。忙しなく駆け抜ける他人の姿も、流行を追う声も届かない場所で、ただ静かに時が止まりそうな気配がある。そんな断絶のなかで、赤星は昔も、今も、黙ってそこにある。
